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スノアの決断

 どうもシファニーです! 今日は皮膚科、眼科、歯医者と色々行ってきました! 特に問題ない健康体だったみたいです!


 第120部、第3章第28話『スノアの決断』です。どうぞ!

「その果実って……みんなが探してたやつ?」


 リィナの呟きを拾ったのはスノアだった。


「ええ。私たちが探していたもの。それならどんな怪我だって治せるはず。……それを渡せば和解できるんじゃないかしら?」


 つまり和解の交渉材料としてフェーの傷を治してやろう、って話か。許してもらおうとするには十分すぎる。だがもちろん問題もある。


「で、でもみんなの目的はそれなんでしょ。見つけたら帰っちゃうんじゃ……」


 そう。それが出来たのなら俺たちはここに留まる必要がなくなる。本末転倒というものではないだろうか。スノアからしてみればそんな気持ちだろう。だからこそ不安が表情に現れている。


 けれど、リィナはスノアの不安を払しょくするかのような明るい笑顔を浮かべる。


「あなたに見つけるのを手伝ってもらう。私たちはそのお礼にフェーと仲直りを手伝う。これで五分五分でしょう?」

「で、でも。私、力になんてなれないし……」

「そんなのこれから次第でしょ? あなたの働きに期待する……そんなのはどうかしら?」

「それは……」


 今のリィナの発言に、俺は少し驚かされる。いや、正しくは改めて思わされる、だろうか。


 あれだけ心を閉ざしていたリィナが、今では誰かの心を開こうとしている。言葉をかけ、勇気づけようとしている。

 リィナは着実に変わろうとしている。それも、きっといい方向に。ヒセの時からその片鱗はあったのかもしれないし、俺も少し認識していたと思う。けど今、スノアにかけた言葉を聞いて確信したのだ。


 俺の手助けのようなものは、どんどんいらなくなっていっているな。


 そして、スノア。

 最初は強気に攻撃を仕掛けてきていたとは思えない弱気を見せている。これはきっと、元々スノアの根が優しい子だからなのだろう。

 俺たちと戦っていた時は、その優しさ故にフェーを守るために全力で戦っていた。逆に今は、その優しさ故に遠慮をしてしまっている。ただの村の娘だったことを考えれば、当然のことかもしれない。


 迷うように視線を回し、手持ち部沙汰そうに手を握ったり開いたりしている。

 そんなスノアの姿を見て、けれどリィナは急かしたりしない。スノアが悩み、考えた末の答えを待つために、ただ静かに待っている。


 それから、どれだけの時間が経っただろうか。

 決して長くはなかった。だけど、緊張感のせいかとても長い時間がかかったような気がした。


 そして、スノアは決断する。その両目に、強い意志を込めて。


「私、やります。やらせて! やって、フェーを助けたい!」

「よく言ったわ! その願い、聞き届けたわ! あなたはこれから私たちと共に冒険をし、果実を見つけてフェーと仲直りをする。そうなるのよ!」

「うん! 絶対、助ける!」


 ふたりの瞳は共鳴するように輝いていた。

 ガス契約も済ませ、生活用品もそろえた今私の引っ越し準備は終わったも同然です。これでもう私は無敵です!


 それでは!

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