迷宮内での戦い
どうもシファニーです! また日曜日が終わってしまう……!
第114部、第3章第22話『迷宮内での戦い』です。どうぞ!
「……今、何か冷たい感覚が走った気が? ま、気のせいね」
ひとりで通路を歩き続けているせいで嫌に敏感になっているだけだろう。ここは元々雪山の下。寒いのは当然のことだ。
「大きな門を見つけて、戻って来たから半日くらいかしら? そろそろ引き返してリネルたちを探しに行きましょうか。こんな迷路みたいなところにいつまでもいたらリネルたちも見つけられないわよね」
リネルならいつか見つけてくれるだろうけど、こんな見通しの悪いところではその難易度が跳ねあがるのは必然だ。外に出て、その辺を散策していればいずれ見つけてくれるはず。
そうして見つけてくれたらまた探索すればいい。ここの迷路はまだまだ奥が深そうだ。
「じゃあもと来た道を……あら? やっぱりこれ、何かいるわよね?」
引き返そうとして冷たい魔力を感じた。微力だけど、確かに誰かが放っている魔力に見える。
「水属性……じゃないわね。氷属性ってやつかしら? 誰かが魔法を使っている、みたいに感じるわね」
初めて見る魔力の色だ。でも、なんとなく分かる。この雪山を覆っている魔力と似ていた。
「もしかして、今更魔物かしら? さっきの狼の仲間たちが戻ってきたのかもしれないわね。戦うのは避けたいけど……帰り道の方からきてるのよね。どうしましょう」
逃げ道を塞がれる形になっている。
知性が垣間見える魔物との戦闘は避けたい。その習性を見たいと言うのがあるし、ちょっと気が引けた。隠れてやり過ごしてもいいけど、狼だとしたら鼻が利くはずだ。隠れるのも難しいかもしれない。
というより、向こうがこちらをすでに認識している可能性も捨てきれなかった。間違いなく近づいてきているようだし。
「って、もう手遅れね。どうなるか分からないけど、場合によっては戦うしかなさそう」
魔力が近づいてきていた。
もう対処のしようも無さそうだ。
程なくして足音が聞こえ始める。複数ある、恐らくは四足獣の足音。かなりの早出近づいてきていて、目的は明らかに私のようだった。
そして、その魔物は姿を現す。
全身の毛が真っ白な狼。全長1メートルほどの体格で、それが5匹。敵意を丸出しで、私の前に止まった。
「これは戦うしかなさそうね……いいわよ! かかってきなさい!」
私は、両手に魔力を込めた。
またしてもリィナ回。短めでお届けさせていただきました。なんででしょうね、短くなってしまうの。
しかして雪山もそろそろ佳境! 終盤に迫ってまいりました! ラストスパート、どうぞお付き合いくださいませ。
それでは!