遺跡探索
どうもシファニーです! 今回、お話しの整理のためにちょっと短いですがどうぞよろしくお願いします。
第103部、第3章第11話『遺跡探索』です。どうぞ!
「ふぇ~? 朝?」
「違う違う。面白そうなものを見つけたんだよ。来れるか?」
「……ん、行く」
長椅子の上で体を起こし、目を擦りながらヒセは返事する。
そんな眠たげなヒセを連れて、俺は見つけた階段へと向かった。
改めて覗き込んでみる。暗く、そこの見えないらせん状の階段はどこまでも続く石造り。この教会と言い、この建物を作った者の建築技術は現代にも劣らないものらしい。
「深い」
「ああ。行ってみたいと思うが、どうだ?」
「面白そう」
楽し気にしっぽを揺らしているのを見る限り、ヒセも冒険心旺盛らしい。きっと、リィナも目を輝かせて向かうはずだ。
「じゃあ、行くぞ?」
「ん」
目を合わせて頷き合い、俺たちは未知なる階段を下り始めた。
階段を下るごとに暗くなり。途中から魔法で火を焚いて明るさを確保した。
光属性の魔法を自在に使えればよかったんだが、どれだけやっても暗がりで明るさを維持できるほどの練度は得られなかった。
3度目の人生の時、光属性の魔法を得意とする種族と出会ったことがあったのだが、当時の俺は魔力がほとんどなかったし、出会ったときには敵同士だったというのもあって習得出来なかったんだよな。残念で仕方ない。
ただ、今回はその必要が無かったらしい。
階段を降り切ったその先。相変わらず石を敷き詰めた床と壁、天井に覆われた通路には、明かりが灯っていた。
手元の炎を消して、俺は思わず唖然とする。
「なんじゃ、こりゃ……見たことないぞこんな場所」
「凄い、冷たい」
続くのは石造りの廊下。ずっと真っ直ぐ、奥へ奥へと続いているその通路は、所々氷づいていた。
その氷の欠片のひとつひとつが、淡い光を放っている。自ら光を放つ宝石のように見えるそれは、十分すぎるくらい足元を照らしていた。
「光る氷なんて聞いたことも無いぞ」
「ヒセも。……あ、でも、光る水なら知ってる」
「え? どんなのだ?」
「えっと。荒野の魔物なんだけど、水吐き狼って言うのがいて。その狼の血が光るの」
「赤色にか?」
「ううん、白色。この氷みたいに」
「そんな生き物がいるのか?」
「ん。生臭さが無い代わりに肉が少なくて、美味しくない。水が無くても生けてけるようにしてるんだって」
俺は知らない魔物だった。荒野の、獣人の済む地域に住む魔物なのだろう。
そもそも、そう言った独特の特性を持つ生物は数が少ないと決まっている。俺が知らないもの無理はないが、そうか。そんな性質を持つ液体があるのか。
「光る理由は分かるか?」
「ん~……分かんない。食べ物のせい、って言ってた気がする」
「食性によるのか? でも、荒野とこことじゃ。っていうかそもそも食べ物のということは、ここに何かの生き物がいる……ってことか? でも、この量の氷が全部血なんてことは、流石に……」
「そだよね」
通路全体を照らすほどの量の氷。これだけの出血をしていたら、死体がそこら中になければおかしいだろう。
「とにかく進んでみるか。この奥に何かあるかもしれない」
「ん。行こ」
兎にも角にも進んでみるほかないだろう。この先にあるものによっては、謎だったものが解明されるかもしれない。
洞窟は最早暗がりではなく、薄明りの氷に包まれた硬い廊下。
四方八方を色の無い意志に覆われたこの道は、歩き続けるほど気が遠くなってしまいそうになる。
せめてもの救いは白く輝く氷があることで、その輝きは手に取って見たくなってしまうほどには美しい。
ただ、触ってみるとあまりに冷たく、砕いてみようにも、ヒセの魔剣で軽く突いても崩れることは無かった。全力で叩いてみるかと提案されたが、地下空間でそんなことをして壁や天井まで崩れられたらたまらないので止めてもらった。
それから30分ほど歩き続けただろうか。
俺とヒセは、思わず足を止めていた。
「凄いな、これ。一体誰が造ったんだよ」
その空間についた途端、一気に視界が開けた。
目の前に、5メートル近くある大きな扉が立ちはだかっていた。
今日、久しぶりに友達と通話をしました。同級生はみんな卒業し、暇になって時間が出来、今度ゲームをしようという約束をしました。
来年から大学のために実家を離れる私は、今のうちに旧友との仲を深めたいと思っていたところだったので嬉しかったです。友達は大切にしようと思います。
それでは!