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テスト返却 4
続き
男は教師の地雷を踏んでしまったのである。
男は【反省しているかどうか】という所に教師の地雷が設置されていると推測していた。
しかし、
教師は【勉強をしたかどうか】という所に地雷を設置していたのだった。
そのことに気づいた男は軽く冷や汗をかいた。
そしてふと、周りを見渡してみた。
大体1人30秒で終わるペースが、男だけで裕に3分はかかっていたからだ。
現状に対しての周りの反応、それが男には気になっていた。そしてざっと周りを見渡してみると、なるほど、視線は全て自分に集中していた。
(きっと今自分は好奇心、興味心のような視線に晒されているのだろう。)
そう男が自覚したとき、その視線は熱線のような痛みに変貌を遂げた。
教室の、視線が悪い意味で集中しているこの現状に精神的疲労を感じるとともに、小言で終わらせまいとする教師による肉体的疲労をも男は同時に受けざるをえなかったのである。
その半年後、彼の机には綺麗に整頓されたファイルと、数枚の紙が重ね重ねに置かれてあった。
そして姿勢を正した彼の視線の先には、【94】という数字がただ忽然と、記されていたのである。