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55.発信器は除去しますけど何か?

「直ちに発信機能の停止を行なう。これ以外の報告はあるか?」


これから発信器を取り除いたり発信機能を停止させたりする作業があるので、暫く緊急時以外連絡ができない、というかしたくない。そこで事前に言っておくことはあるかと部下に聞いてみたのだが、


『ドワーフ性のスキャンプログラムでも解析できないものが幾つかありましたので、確認をお願いします』


「了解した。データを送ってくれ」


『はい。すでにまとめてありますので、今送信しますね』


そんな言葉と共にこちらの船へ資料が届く。そこには、解析不能だった幾つかのものの大まかな位置と大きさなどが記されていた。

数は多いし作業も多そうだが、


「幸いなことに埋め込まれていると言うことはないか」


『はい、肉体にチップなどが植え付けられていると言うことはないようです』


「……ふむ。分かった。では、多少時間は掛かるが解除する」


『了解しました。その間は運転はこちらで補助致しますので』


俺は部下に運転などは全て任せ、発信器の除去に取りかかる。

まず最初に手をつけるのは、


「流石に奴隷の首輪は破壊できんし、遮断用の布を巻くしかないか」


奴隷達の首輪。そこに発信器が取り付けられているのだ。

奴隷の首輪も壊せないわけではないのだが後々面倒なことになりそうなので、電波などを遮断する布を巻いておくにとどめる。これだけでも十分効果はあるはずだ。


そしたら次に行なうのは、船自体から出ているものの停止だ。

これを止めるには、


「こちらでプログラムの停止を選択すれば良いだけ」


船の方の管理画面から操作できた。停止を選択するだけで良いから、1分もかからずに終わったな。

そしたら更に今度は、持ってきたりこの船につけられていたりした品々についているもの。これは数が多くて、


「十数分。ギリギリ10分で終わるか?」


そう思うほどの量がある。

外面の形状などは魔法で分かっても。それぞれどんな機械かも具体的には分からないから魔法で破壊なんていうこともできず。1つ1つ手作業で解体して機能停止していっている。


……正直言って、これに関してはかなり御門違いだと思う。俺も今回の事態を予想して軽く知り合いから資料をもらって勉強はしたが、発信器の解除とか御門違いも良いところだからな?本来爆弾解除とか、そう言ったものを専門にしたチームが発信器の解体とかってするんだからな?


俺は大佐にまで上り詰めて、いったい何をやらされているのだろうか。上の地位にいるはずなのにその地位に見合った仕事はなく、基地への突撃やら長期間の潜伏やら発信器の除去やら特殊業務ばかりやらされている気がする。

あれか?俺は特務専門の人間なのか?


「……お、おい。あの人間、大丈夫か?」

「す、凄い負のオーラを感じる。……やばい、なんか創作意欲が湧いてきてしまった」

「おい!やめろ!アレにインスピレーション受けたら、確実にマズいものができあがるぞ!」


おっと、いけない。

連れてきたドワーフたちに俺が負のオーラを出しているところを見られてしまった。なんか良くないことを口走っているやつもいる気がするし、清い心でお客様第一精神で仕事をしなければな!

お客様は神様!発信器も神様………………なわけねぇだろ。俺、疲れてるのかもな。だいぶおかしいことを考えている気がする。


「な、なんだ!?今度は疲れ切った顔を!」

「どす黒いオーラから、死んだ魚のような目になって……うぅ。駄目だ!俺はこの気持ちを止められないぃぃぃ!!!!」

「あっ!やめろ!悪意から絶望って、確実に駄目な流れだぞ!?」


ドワーフたちが騒がしいが、完全に無視させてもらおう。

何やらよくないものを作りそうな雰囲気だが、本当に駄目だったら即座に叩き潰そう。……うん。数分ごとに作りかけを潰すのも楽しいかもな。


「……なんて考えている間に、終わりか」


色々考えている間に作業は終了。ほとんどの発信器は除去し終わった。それぞれ機能は停止されているはずだ。

ということで再度繋がったままの大型艦に連絡を取り、


『では、再スキャンを行いますね』


もう1度発信器がないかどうかというのを確認してもらう。

全て機能停止したり取り外したりしているので、ほとんどの効果はなくなっているはずだ。


……が、


『2つほど反応が残っていますね』


「何?」


どうやらまだ残っていたらしい。

俺はすぐに場所を送らせて、その2つの位置を確認し回収する。回収したものはそこまで大きい物ではなく、


「小型でありながらも発電可能なチップか」


周囲の魔力を吸収することで電波を発することのできる優れものなようだ。できれば回収して解析したいところなのだが、思っている以上に反応が強いようなので布にくるむだけでは無理そうだった。

と言うことで泣く泣く、


『送り出したんですね?』


「ああ」


まっすぐ飛ぶことしかできない戦闘機体に発信器を取り付け、それぞれ別の場所に飛ばした。

戦闘機体のため小型艦の移動よりかなり速度は落ちるのだが、少しでもだませればそれで良い。

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