47.あぁ~なるほどそういうことね完全に理解しましましたけど何か?
投稿ミスったぁぁ!!!!!
「あぁ~。なるほど。そういうことですか」
納得したような顔を見せる補佐官。
そんな俺たちの会話を聞いた数名の部下も加わってきて、
「大佐、忙しくて映画なんて観る余裕ないですもんね」
「個人用に買うとかあり得ないですよねぇ」
「夜に雰囲気作るための短めのハッピーエンドな恋愛ものばっかりだったし」
「あぁ~。それなぁ。私も一緒に見たことある」
「本当?私あの、巨大な宇宙鮫が襲ってくるのをカップルがレーザー砲で戦うのを見たよ。アクション凄くて目茶苦茶面白かった!」
「面白そうではあるけどそれで良くムード作れたね……私は、辺境に赴任することになった婚約者を追いかける映画だったよ。ラストで追いついた後のキスシーンが最高だった」
盛り上がりを見せている。
今まで軽い雑談を挟む程度だったが、ここに来て急に口数が増えて話の速度が上がった。そんなに共通の話題に飢えていたとは……
それでも、誰1人としてモニターから意識をそらさないのは流石だな。
なんて俺が1人で思っていると。
「大佐ぁ~」
「ん。何だ?」
「大佐は今まで観てきた映画の中で、どれが1番好きだったんですかぁ?」
俺に質問が来た。
言っては何だが、こっちの世界に来てからは雰囲気作りのときくらいしか映画など観たことがなかったためにあまり見た本数は多くない。勿論知っているものも少ない。そして、雰囲気作りの映画が俺の好みだったかと言えば……
といった感じなのだが、
「あっ。私も気になる!」
「今度一緒に似てるジャンルの映画みたい!」
「良いねぇ。皆で疲れ切ったときに見ても良いかも」
なんていう話を部下がしだして、そうした答えが口にできない雰囲気となってしまった。どうにかして俺の好みの映画を言わなければならないらしい。
ただ、先程も考えたように俺はこの世界の映画をあまり観ていないし、好きだったモノも無い。
となると必然的に、選ぶ映画は前世で見たものとなるだろう。
「そうだな……名前は忘れたが、古代遺跡に入り財宝を持ち帰るトレジャーハンターの作品は好みだった」
某カウボーイハットを被ったイケオジが危険な罠を回避していきながら進むあの映画である。最初の頃は若かったんだが、歳を取ってもかなり頑張っているアクションなども見れて楽しかった。
「古代遺跡でトレジャーハンター!?」
「何ですかそれ!面白そう!」
「最近の映画でそんなのあったっけ?私の記憶にないんだけど……」
部下達は興味を示したり、どの映画なのかと頭を悩ませたり。
この世界に本物は実在はしないだろうが、似た作品はあると思うんだよな。何せ、宇宙は広いんだから。
興味を示したのは部下達だけでなく、
「えっ!それ面白そうですわ!」
「とても気になります!」
「そ、それっってこの中にも入ってますか!」
セシル達も見てみたいようだった。
フィネークは端末のデータから一生懸命それに似た作品を探そうとしているな。
「……すまない。その中にも入っていない。おそらく小官の所有しているデータの中にもないはずだ」
「「「……残念です(わ)」」」
本当に残念そうにする3人。
軽く思いついた映画を言ってみただけなのだが、相当心に響くものだったらしいな。名作はいつの時代もどんな場所でも名作と言うことか……。
……なんていうことがありながらも、俺たちはひたすら待ち続けた。
数日、数週間、と時はゆっくりと流れていき、
「あぁ~。映画も飽きてきましたわぁ」
「暇、暇です。身体を動かしたい……」
「うぅ~。なんで皆さんそんなに余裕な表情でいられるんですかぁ~」
3人が映画だけでは保てなくなり、弱音を吐き始めた頃。
ついに事態が動き出す。
「っ!?緊急連絡!救助要請です!」
「「「「っ!」」」」
全員息を一瞬飲むのが分かる。ただ、すぐに部下達は行動を再開した。作戦通りに動くために。
ただ、再起動が一瞬では終わらないものもいて、その中の代表格が女子3人だ。残念ながらその3人の中に艦隊のトップである隊長もいるため、
「動け!目的地は計画通りで構わん!」
「「「「イェッ、サー!!」」」」
俺が指示を出さなければならない。
俺の指示通りに部下達は船を動かし、艦隊が今までみせなかった素速い動きを見せて移動していく。流石にそうしていると、
「す、すみません大佐。反応が遅れましたわ」
セシルが回復し、俺に謝ってくる。
本来指示を出すのは隊長であるセシルの仕事だからな。残念ながら今回はその責務を果たすことができなかったわけだ。軍に正式に所属していたら、確実に罰則対象になる失態だぞ。
だが、そうは言ってもセシルはまだ隊長になったばかりの一般人。ならば、
「いえ。構いません。慣れの問題でしょう。……それより、セシル様も計画通りにお願いします」
「分かりましたわ!この失態は、この先の計画で取り戻して見せます!」
セシルが覚悟を決め、立ち上がる。そして彼女が最も得意とする戦闘機体の戦闘に向けて準備を始めた。
ここからがこの作戦の本番だ。
これまで耐えてきた分の力を全てここで発揮して見せよう。
この話を書いていて、宇宙遺跡のトレジャーハンターって面白そうだと思ってしまった……今後のお話に絶対必要ないのに目茶苦茶出したいw




