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44.阻止してあぶり出しますけど何か?

ジャンル別で日間1位になっていました!誠にありがとうございます!!!

いつも見てくださる皆様のおかげです!(DO☆GE☆ZA

《sideミミ・タチバナ》

事前に話は聞いていた。だから、驚きは少ない…………訳がないんだよね!


「何!?なんでドワーフから連絡が来るの!?なんでドワーフのくせに奴隷になんかなってんの!?しかも、なんで奴隷を他国の重要なところに行かせたいとか言ってくるの!?絶対に面倒なこと関わってるじゃん!!」


ゴトーから、ドワーフから何か連絡があるかもしれないとは聞いていた。勿論それは驚きだったけど、作業の手伝いをする人でも欲しいのかと思う程度だった。

それに、あるかもしれない程度だったから、大して期待もしていなかった。


なのに、なのに実際は全く違う!ドワーフから本当に連絡は来た!そして、用件は奴隷の購入ではなく、買い取りだった。しかも、買い取った奴隷のドワーフは他国の重要なポジションの人に売って欲しい!?

明らかにおかしいじゃん!

私でも怪しいって分かるよ!なんでそんな明らかに怪しい案件を私に持ってくるのかなぁ!?


「おのれゴトォォォォ」


私は奴隷を買ってすぐに出て行ったゴトーのことを思い浮かべ、その顔に悪態をつきたくなる。

ドワーフとの繋がりとかを持ってきてくれるのは嬉しいんだけど、明らかに内容がひどいんだよね。今回はなんか焦ってる風だから向こうが値段の交渉すらせずに良い報酬が手に入ることにはなったけど、これで報酬が微妙だったら確実に断ってたよ。


「ゴトーにも困ったものだよねぇ」


私はため息を吐きつつも抑えられない笑みを浮かべながら、各地の関連店舗に連絡を回していった。

……確かに内容はひどいけど、報酬も良いし何よりゴトーに頼られてるんだから。こんな機会逃すわけにはいかないし、私がやる気を出すのも仕方がないよね?

ゴトーも、もっと難しいことで私を頼ってくれれば良いのに。



《sideゴトー・アナベル》

宙賊を狩っていると、新しい情報が手に入るようになってきた。

それが、


「……輸送船襲撃計画、か」


襲撃計画。それも、かなり手の込んだものだ。

襲撃するのは一部の貴族の私兵である宙賊で、襲撃されるのは奴隷輸送船。奴隷輸送船の方は奴隷を輸入する際によく使う商会のものであるため、船の破壊や乗員の殺害は最小限に抑えるらしい。


「これは迷うな……」


阻止すべきか、それとも見逃すべきか。それが問題だ。

この襲われる船はドワーフを輸送するための船であり、タチバナ奴隷商会が関わっているものなのだ。なので、商会としての名声を落とさないためには阻止した方が良い。

が、ドワーフを裏から獲ようとしている存在が分かるという意味では見逃した方が良い。


「……難しいところだな。ミミと連絡を取るか」


俺は一旦宙賊狩りを中断し、ミミと連絡を取ることにする。俺が今敵国にいることがバレないようにするため幾つかの地点を経由してから連絡が行くようになっており、その分コンマ数秒の時間が掛かった後で、


『ん?どうかした?』


「よっ。ミミ。少し報告しておきたいことがあってな」


『そうなの?了解、聞くよ』


俺はミミに事情を説明する。

俺の説明を聞いたミミは難しい顔をして、


『襲撃かぁ……悪いけど阻止してくれるかな?できれば私たちはそういうことに関わりたくないから』


「了解。じゃあ、襲撃の数がそっちで対応できる程度になるよう捌いとく」


『お願ぁい』


ミミとしてはあまり今回の件に深くは関わりたくない。だからこそ、誘わせて奪わせるなんて言う方法は深いところまで関わったようで嫌なのだろう。

危機管理の考え方からすれば当然のことだし、俺もそれを考え直すように言うつもりはない。


「……ということなら、襲撃に関わってそうなこの辺の奴らを潰しに行くかぁ」


俺は船を動かす。

狙いは、襲撃に関わっていそうな宙賊達だ。潰せて金が稼げるのと同時に、重要な情報なんかが知れたらなお良しだな。


「後は……奴隷達の方のあぶり出しももう少し必要だろうな」


宙賊の元へ移動する間、俺は奴隷達が移るモニターを眺める。そこではすでに数人奴隷がいなくなっていた。

何故かって?それは勿論部屋を出て俺のことを報告しようとし、触手君送りになったからだ。現在は触手から分泌される非常に危険な薬品と触手の感触で色々とマズいことになっているだろう。


「情報を吐き出させるのはもう少し後になるだろうがな……」


まだ情報を引き出そうとはせず、ひたすら触手漬けにするつもりだ。そうした方がより精神的に負荷が掛かって、質問が救いの手のように思えるはずだからな。


……あっ。因みに何だが、触手にとらわれている奴らの映像はまだとらわれていない奴らには見せていない。

奴隷は50人以上いるし、まだまだ中にスパイが紛れ込んでいそうだからな。


「一体今回は何人諜報員がいることやら……」


自然と俺の頬が緩むのが分かる。

なんとなくだが、公爵や王子達の策を上手く避けたような気がして嬉しいからな。大したことはないが、勝利は勝利だろう。俺が負けず嫌いだとは言わないが、モチベーションを保つのに勝利というのは欠かせない要素である。

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