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33.ミサイルはお返ししますけど何か?

「くくくっ。これで1つ大技は使えなくなったな」


先程の敵が使ってきたレーザーは強力な上に太かった。そのため効果範囲が広く、巻き込んだ機雷の数も多かった。

俺も今またせっせと機雷を設置しているから、もう1度レーザーを使えばまた似たようなことが起こる可能性が高い。

そしてそのことは向こうも認識しており、だからこそ向こうがもう1度先ほどの大技を使うことがないと俺は踏んでいるのだ。


「ただ、あれだけ大きいんだから秘策は1つだけじゃないだろ?」


船が大きい場合、その船はそれだけ内部に物資を置いておけると言うことだ。そして、搭載できる武装の数も増えてくる。

となると、先程のレーザー以外にも何かしら使ってくるものがあるだろう。


「いやはや楽しみだな」


全くもって楽しみではないが、口先ではそう言っておく。

常に精神的な余裕を持っておくことは大切だ。


俺がそんな風に冷静にいるよう努めながら敵を鎮めていると、また例の船が動いた。今度はレーザーではなく、


「物体の射出…………これは、ミサイルか?」


体積は大きいように見える飛来物。おそらくミサイルだと思われる。

ミサイルも大きいは大きいのだが、先程のレーザーに比べれば当たる範囲は狭いし、ミサイル自体が爆発しないと周囲への影響はない。


「そしてあの大きさを見る限り、こういうことに特化したミサイルだろうな」


こういうこと、というのは惑星への攻撃だ。

通常ミサイルと行ってもそこまで大きいものは少ない。レーザーを使う方が早いから、わざわざ弱いミサイルを作るのではなく強いレーザーを作った方が良いというのが一般的な意見なんだ。


そのため、基本的にミサイルはレーザーの使えない回り込んだ先への攻撃などに使うことが多かったりする。そして高い機動力とまでは言わずともある程度自由に方向が変えられるために、軽量化され小型化される。

ミサイルとはそういうものだ。


ただ1つ例外があるとすれば、惑星に限らず広かったり大きかったりする場所への攻撃をする際のものがある。

そう言った際にはレーザーを使うよりもミサイルで周囲に爆発を起こして破壊した方が効率的なため、ミサイルが用いられるのだ。

勿論惑星や基地といった場所は大きいので小型のミサイルでは大した被害を出すこともできず、自然とそこに使われるものは大型になる。


つまり、そういうことを考えればやはり今こちらに迫ってきているミサイルはこういうことのためのミサイルなのだ。


「敵も用意周到だな」


このミサイルが当たれば非常に効果が高かっただろう、きっと当たった部分の周囲は消し飛んだはずだ、そして、この惑星にある武装の多くを削れただろう。

ミサイルを当てるために、こちらからの攻撃でミサイルを破壊させまいとミサイルの前に何隻もの船が集まって守っているし、敵の本気度がうかがえる。


「良い作戦だな。…………相手が俺でなければ」


この惑星に降下された時点でそれは確かなのだが、敵は運が悪かった。

もし相手が俺でなければ確実にこのミサイルは、そしてこの作戦は効果があっただろう。


俺は、ミサイルがやってくる部分のシールドをあえて消してそう考える。

それから、目くらましのために付近にあった機雷を爆破し、誘爆を引き起こす。これで敵は一時的にこちらの様子が見えなくなる。

もしかしたら、ミサイルがこの星に当たった影響で機雷も爆発したなんて勘違いをしているかもしれない。


……だが、違う。このミサイルは地表にぶつかることなどない。

レーザーでない、質量のある物体であるミサイルならば大気圏に入ってきた段階で俺の掌の上だ。風を上手く使えば地表に当たらないように軌道を変えることも可能であり、そしてまたその速度を急激に上昇させることも可能であり、


「……良いプレゼントだったが、残念ながら俺には必要のない代物だ。返しておく」


機雷の爆発の名残の中から。

入ってきたときとは比べものにならないほどに加速されたミサイルが飛び出していく。向かう先はこのミサイルが撃たれてきた方向であり。


「……さぁ。気付くか?防げるか?」


俺は無意識に頬が緩む。

直後、例の大型の船の付近で大規模な爆発が起こった。

……いや、付近どころではないな。映像を見る限り直撃だろう。


どうやら敵は俺のお返ししたミサイルに反応しきれなかったようだな。映像からはミサイルの直撃を受けて敵の船のシールドが消失したのが確認できる。

爆発した直後であり詳しいことは分からないが、惑星を破壊するためのミサイルをたかが大きいだけの船が受けて無事なわけがないだろう。全てが消し飛ばなかったのが奇跡なくらいだ。


モニターには爆発によるガスやら何やらの中で、敵側の船の一部が見えている。


「……相当力を入れて作られた船だったということか?」


きっとそうなのだろう。でなければたとえ奇跡でも一部とは言え映像に映っているように残っている部分があるわけがない。


「……では、そんな力を入れて作ったものにこれだけの被害が出たとなると、敵はどう考えるんだろうな?」

前話で機雷を使ったシールド&周囲への広がりというモノがありましたが、それについての質問が幾つかあったのでここでも一応補足を。


まず、爆発の威力で爆発を受けた機雷は吹き飛びます。これは、物理表側で駄目なら魔力の影響ということで(困ったときに頼れる魔力w)

次に、敵艦の使った強力なレーザーを防ぐために使われた機雷は1つではありません。レーザーを受けて機雷が爆発し、更にその爆発で抑えられなかったものを受けた機雷が爆発し……となっていきます。機雷が吹き飛ぶのはその爆発を受けてから、ですので少し遅れてやってきます。

勿論爆発の威力は高いですが、飛来する速度はレーザー以下ですので避けようと思えば避けられます。


質問頂いて、作者も色々と足りていないものを感じました。

何か気になることがありましたら、是非お気軽に感想などで教えて頂けると嬉しいです。

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