表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

66/244

26.レースで上位でしたけど何か?

「「「「中佐ぁぁぁ!!!!!」」」」


「ゴフッ!?」


集団からタックルを受け、俺は吹き飛ばされる。が、俺も怒るようなことはない。

なぜなら、これは所謂感動の再会(?)というやつだから。


「ふむ。怪我はないな?」


「「「「はいっ!」」」」


タックルしてきた奴らは、全員部下だ。艦隊が保護してくれていた基地までやってきたのだ。

これでまた俺たちも艦隊として活動できるな。


「……愛されてますわね」

「ああ~。隊長なのに、副隊長の方が……」

「い、いやいや!それは恐れ多いからだと思いますよ!セシル様が嫌われてるわけじゃないですから!」


俺たちの様子を見たセシルが遠い目をして、そんなセシルの肩にダリヤが慰めるように手を置き、2人の会話を聞いたフィネークが慌てた様子でフォローしていた。

セシルとダリヤは一緒にいたが、フィネークは少し会えていなかったからなんだか楽しげである。身分差はあるが、再開を心から喜ぶことができるくらいには友情が芽生えているようだな。


3人の話をもう少し盗み聞きしていたい気持ちもあるが、今はそこまでの余裕がない。

俺は俺で部下の相手をしなければ、


「中佐!アレを作らせたのは助かりましたけど、もうちょっと配慮してくれても良かったと思います!!」

「あっ!そうだよ中佐!アレは流石にひどいと思うな!」

「うんうん!アレは人に使わせちゃダメだって!死ぬかと思ったよ!!」


部下達が不満を口にする。

だが俺は肩をすくめて、


「ああ。済まない。小官はアレを注文しただけで一切内容に関しては関わっていないし、知らない。逆に聞きたいのだが、そんなに凄いものだったのか?」


そう言うしかない。

何の話かと言えば、俺が敵の惑星へ降下するために作らせていた装備の話だ。名目上は俺の装備ということにしてあったんだが、こういう事態も想定して緊急時には使うように言ってあった。

勿論、それを素直に言うつもりはないがな。たまたま敵に襲撃されて少しでも生存確率を上げるために使ったという言い訳をすることにしている。


個人用の装備がそんなに上手く使えるか?と思うかもしれないが、これが使えるんだよな。

開発者はピーキーな性能の装備を作るアホであるから、たとえ個人用だとしても宇宙で艦隊相手にしても使えるようなものが作られたわけだ。何が作られたのかと詳細を聞いてみれば、


「足につけるためのブースターがありましたよ!」

「アレはひどかったね。なんでアレ1つ使うだけで艦隊の速さが3倍になるの?」

「普通あんなの生身で使ったら体バラバラになるって!」


船につけて使ったら速さが3倍になった。

そのつけたものは、なんと元々俺が着るスーツの足の部分のブースターだったものらしい。そんな速度で移動すれば体は一瞬でボロボロになるというのに。

聞いた限り、速さに特化して、防御性能と操作性は無視したもののようだった。


「お陰で囲まれる前に脱出できたんだけどさぁ」

「だからってアレはないよねぇ」


味方の軍は、敵に囲まれて集中砲火を受けたらしい。

しかし、それを俺たちの艦隊はブースターで乗り切ったのだそうだ。

ただ、助かりはしたものの部下達には不満はあるようだがな。船の揺れは激しいし、止まるのも難しくて、艦隊の船が散り散りにならないように調整するのが本当に大変だったようだ。

あと、揺れで気持ち悪くなるのを抑えるのもな。


そんな不満を部下達がぶち待ていると。

そこに混じってくるものが。


「あら。私たちの船も誰かさんの荒い運転で非常によく揺れましてよ」


「あっ。隊長」

「そうなんですか?」


混じってきたのはセシル。俺の運転に不満があったようだ。

セシルの言葉に部下達は不思議そうにしているな。少し首をかしげた後、


「誰が運転したんですか?」


そんな質問が。

セシルはそれに口では答えず、黙って俺に視線を。

それで、部下達は何かを察したようだった。それと同時に、


「あ、あの。隊長。一応言っておくと、中佐の運転能力ってかなり高いですからね?」


そんな補足が部下から。

これには、


「……え?」


俺の運転が上手いなんていう返答が返っているとは思っていなかったようで、セシルは驚きで目を見開いている。

だが、俺の運転が下手ではないのは確かだ。でなければ、スペックにかなりの差がある戦闘艦とチェイスして逃げ切れるわけがない。


「昔は良く小型艦のレースで上位入賞されてましたよ」


「「「「……え」」」」


俺の運転技術の高さを知らなかった面々の視線が突き刺さる。俺はそれにいくつか前のレースで軍内3位に入ったときのバッジを見せておく。

これも勲章よりは格が落ちるが、軍服につけておくのが許されたものだ。俺の軍服を彩るアクセサリーの1つとなっている。


……ただ、3位に入ったと行ってもそれは決して軍で3番目に運転技術が高いというわけではないということは明言しておこう。本当に上手いやつは殿堂入りしていたり参加しなかったりするから、せいぜい俺の運転は上の下くらいだ。

俺の部下の中にも俺より運転技術が高いやつは1人だけだがいるぞ。


「ちゅ、中佐って多芸ですのね」

「凄いです」

「全く地上特化じゃ無いじゃないですか……」


俺も地上特化殺戮兵器なんて呼ばれてはいるが、宇宙でもそれなりに活動できる。

なんとなく関わりが新しかった面々からの信頼が厚くなったような気がした。

だから、主人公の設定盛りすぎだって言ってるじゃん!!!(テンションが高いときに勢いで書いた物を後から読み直した作者)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ