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25.勘の良いガキは好きですけど何か?

あ、あれ?日刊ランキングに見たことのある名前が…………

いつも見てくださりありがとうございます!!(土下座

緊張した様子の司令官と色々と話し合いを行なう。調整すべきことが沢山あるからな。特にセシルは隊長という立場であるから、艦隊との合流なども考えなければならない。

ここで合流するのか。それとも他の場所に移動させてもらってから合流するのか。合流するとしても、艦隊を一遍に来させるのか1,2隻だけ来させるのか。そんな風に考えるべきことは沢山ある。


「……ふむ。とりあえずの計画はこれでよろしいですわね?」


「は、はい!だ、大丈夫であります!」


「貴重なお時間頂き感謝いたしますわ。引き続き職務を全うしてくださいまし」

「対応頂きありがとうございます」


「い、いえぇ!お、おおおお、お役に立てて光栄でありますぅぅ!!!」


セシルとダリヤの感謝の言葉に慌て、動揺しながらも敬礼して去って行った。色々とボロボロな対応ではあったが、不敬であると裁かれるような行動もなかったな。


意外と今のやつ、世渡りが上手いタイプか?ダリヤもセシルも仲を深めると王子の手先に消されると警戒して、慣れないフリをして深く関わらないようにしたとか。

……ありえるな。軍部の上層部にいるなら、腹芸もある程度できるだろうし、黒いことを考えていてもおかしくない。

もし優秀なら関わりを持つのも悪くないし、今度個人的に声をかけてみるか。俺の予想通り優秀なやつであれば人脈もあるだろうし、軍の中での影響力を広げられるかもしれない。


「……中佐?何やら考えていらっしゃるようですが、いかが致しましたの?」


「ああ。少し艦隊のことを考えておりました。」


「あら。そうなんですの?……確かに早く合流したいですし、色々と考えなければなりませんわね」


でまかせ、というのもあれだが、咄嗟に出てきた言葉でごまかせた。

セシルも一緒にいるダリヤも俺の言葉の影響か難しい顔をしている。


話し合いの結果決まったものでは、一旦全ての艦隊の船をこの基地に止めることになった。今から連絡を取ってくれるらしい。

通信では艦隊の連中は全員無事らしく、少し離れた基地に逃げ込んでいるのだとか。


「……しかし、あの大型艦が囮として使えたって言うのは興味深いですね」


「そうですわね。何か応用すれば良い結果が出せるような気がしますわ」


話し合いでは、俺たちの艦隊の状況を俺たち以上に詳しく基地側が知っていて、伝えてくれた。

それによると、ダリヤが艦隊に来るに当たって作られた大型艦が集中砲火を受けたんだとか。中にダリヤが乗っているのではと思われたみたいで、何度も接舷が仕掛けられたらしい。


人質を取るために無茶をしているようだったからお陰でその大型艦を囮にして、近づいてくる敵は大抵袋だたきにして倒せたのだとか。

接舷されても中にいるのは屈強な護衛達だから逆に敵の船に乗り込み返したりとかしたらしく、俺たちの艦隊は圧勝だったらしい。

乗り込んできた奴らと戦闘になって護衛の連中の数人が怪我はしたが、死人はいないそうだ。


「敵が勘違いしてくれたのは助かりましたわね」


「そうですね。中にいた護衛達にはたまったモノでは無かったように思われますが」


「気にしなくて良いと思いますわ。普段仕事できていないのですから、こういう時に働かせても良いと思いましてよ」


「うぅん。……それもそうですね」


セシルの意見にダリヤが頷く。

周りにいた船にも一緒に乗っていた護衛達は死んだ魚みたいな目をしているぞ。自分たちが普段働いてないと言われているようなものだからな。普段から気を張っているというのに、その言い草は不憫だ。


……まあ、何度も確認作業とかでイラッとさせられたから擁護することはないがな。本当にこいつら面倒なんだ。船を出す前も出したあとも念入りという言葉ですら足りないレベルで点検してきやがるんだから。

……それで船の点検ができないって言うのも変なはなしではあるんだけどな?もしかして何人か動かせる奴らがいたが、できないフリをしていた?


「…………」


「ん?中佐?どうかしましたか?」


「……いえ。何でもありません」


俺が護衛の面々に疑いの視線を向けていたら、ダリヤが首をかしげた。俺がそれに何でもないと答えながらもその面々の顔を見続けると、数人が気まずげに顔をそらした。

……今の奴らの顔は覚えたぞ。後で技能の所を公爵に確認してやる。

嘘をついてるんだったら、公爵にこってり絞られることだろう。


「ちゅ、中佐?何やら黒いオーラが出ておりますわよ?」


「これは申し訳ありません。敵軍への報復を考えていたもので」


「あ、あぁ。そうですの、ね?」


なんとなく嘘だと察しているセシルは、頬を引きつらせながらも素直に身を引いた。そして、その俺の笑みの意味を正確に理解しているだろう数人は、顔を青くしてブルブルと震えていた。


「よく分からないですけど、関わらないのが身のためですわね」

「そうですね。同意見です。私たちは大人しくしていましょう」


うむ。素晴らしいな。

勘の良いガキは大好きだ。

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