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53.デートですけど何か?

魔力操作なんてそんな簡単に覚えられるものではない。

本当は訓練で長い時間をかけて身に着けていくのだが、セシルやダリヤには時間もない。ということで、魔力を放出して身を守る練習である程度魔力の出し方を覚えさせた、


「……まあ、俺の魔法くらいまでなら防げるようになってきたか」


「ほ、本当ですの?」

「これでやっとですか……………」

「個人的にはすごく魔力を出してる気がするんだけど、これでやっとなの!?」


達成感を憶えたり、逆にここまでしなければならないのかと驚愕したり。

3人の反応はそれぞれだ。

だが、


「最初にもいったが、これは確実な方法でこそあるものの効率は非常に悪いからな。そこまでしなければ俺の魔法を防げないのも仕方がないことだ」


「そっかぁ」

「まあ、防げるだけでも十分進歩したと思いますか。何もできなかった数日前よりは断然良いでしょう」

「そうですわねぇ~。でも、この短期間でゴトーの魔法を防げるようになるとは思いませんでしたわ。私たち、才能があるのではなくて!」


フィネ―クが疲れた顔をするが、そこでダリヤが励ましセシルが笑みを浮かべる。

まあ、才能が有るか無いかで言えばあると言って良いだろう。たとえ同じように教えたとしても、常人に俺の魔法が防げるようにはならない。

だが、その常人と3人の大きな差を作る点は感覚をつかむのが上手いというよりも、


「魔力が多いからな。それだけの可能性を秘めているということだ」


「あぁ。魔力量の問題ですのね。それでしたら納得ですわ」

「魔力量が多い分、それだけ出力を高くしても問題ないし長く保てるというわけですか」


魔法を扱う上で、やはり魔力量というのは重要な部分になってくる。

キメラと戦った時の俺のようにある程度魔力操作の精密さなどでどうにかできる部分はあるが、それでも同じだけの練習をすれば勝てるのは魔力が多いやつだ。

圧倒的に技術力に差がない限り、魔力量の差というのはなかなか覆せるようなものではない。


「さて。とりあえず俺が最低限教えておくべきことは教えた」


「えっ?これで訓練は終わりなんですの?」

「まだ私たち大魔法とか使えるようになってないんですけど?」

「もっと深いところが知りたいよ!!」


俺が今回の訓練を終わらせようとすると、3人が不満げな声をあげる。

まあ、魔法を使うための訓練をさせていたわけだしこの反応になるのも当然だろう。だが、ここで俺が教えてしまうと属性による違いなんかもあって変な癖などが付きそうだし、


「今は魔力操作の部分を鍛えておいてくれ。今度どこかのタイミングで、それぞれの属性に合った訓練を受けられるようにしておく」


「あっ。本当ですの?約束ですわよ」

「それはそれで楽しみですね。今はいったん引き下がりましょうか」

「えぇ~。私は教わりたかったけど………」


セシルとダリヤはあっさりと引き下がったがフィネークはまだ引き下がらない。この反応は、魔法を教わりたいというよりも俺と一緒にいる時間を長くしたいというように見えるな。

予定には本当はなかったが、


「あぁ~。この後デートにでも行くかと思って予定を立てていたんだけどな。まあ訓練がしたいならそっちでも」「「「良くない!!」」」


俺の言葉が3人によりさえぎられる。

予想通りだ。


「良くないですわよ!デートよりも訓練を優先するなんて!」

「そうです!良くないです!!デートに行きますよデート!」

「先にそれを言ってよ!!訓練なんてやってないで、早く行くよゴトー君!!」


「……………変わり身が早いな」


予想通りではあるが、あまりにも早い反応に俺は苦笑しつつ。

汗を流して着替えた後、セシルとダリヤに適当な変装をさせてから街をぶらつく、


「ほぇ~。最近は見れてなかったですけど、お店も結構変わりましたわね」

「そうですね。最近は炎目玉のジュースが流行なんですか」

「あっそれ、『宇宙の奥地に行ってみた』で食べてました!炎目玉の卵をジュースの中に入れるらしいんです。それをストローで吸ったりするらしいですよ」

「へぇ~」


流行りのものなんかを狩ったり見たりしつつ、散策する。

俺も突発的に思いついたことだから目的とかは決めていなかったのだが、3人ともかなり楽しめているようである。というか、俺のことそっちのけでデートとかいう雰囲気はみじんもない様子で楽しんでいるな。

まあ、俺としてはそれはそれで気苦労なくいられるから構わないのだが。


まぁ、だからと言ってそれに甘えてここで何もしないと後々に響く恐れがあるので、


「ん。これとかダリヤに似合うんじゃないか?」


「どれですか?………あっ!良いですね!」


「あ~ズルいですわ!私にも似合いそうなもの見繕ってくださいまし!」

「私も私も!!」


似合いそうだと思った服やアクセサリーなんかを見せて見て、反応が良ければ買っておく。

最低限好みの傾向などはつかんでいるから、見つけるのにも苦労はしない。もちろん、3人の誰かに異様に偏ったりもしないように気を付けつつ、な。


「………さて、そろそろだろうな」


「ん?何がですか?」


「俺たちがさっきまで訓練していた場所が襲撃されているのが、だ」

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