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51.感じる機会はありますけど何か?

少し前までは、このセシルとダリヤというのはいつでも切り捨てられる利用するだけの存在だった。

だが、現在は婚約者となっており、一心同体とまではいわないもののここで消えると困る存在になっている。

俺も何かと注目されるようになったので、この2人や逸脱者の伯爵に後ろ盾になっていてもらわないといらん嫌がらせややっかみを受ける可能性が高い。


ということで、


「最低限、魔法で身を守れるようになってもらう」


「わ、分かりました」

「分かりましたわ」


惑星を奪取してまた国民からの支持を安定させてから休暇に入り。初日に2人を呼び出して魔法の練習をさせることにした。

本当は俺がそばに護衛としているのが1番安全ではあるのだが、俺は俺でやりたいことが大量にあるからな。ずっと警護しているというのも無理な話だ。

ここで俺の魔力の習得講座を受けるのはセシルとダリヤ、そして、


「わ、私もいいの?」


「構わん。どうせ調べていれば、超遠距離射撃のできる専用機を持ったフィネークは簡単に見つかる。狙われることも今後増えていくはずだ」


「そ、そっか~」


自身が狙われるということを知り落ち込む。かと思われたが、どこかニマニマと笑みを浮かべているな。

これは、


「フィネーク。ゴトーから名前を呼ばれただけですわよ?」

「気持ちは分からないこともないですけど、さすがにそれは弱すぎでは?」


「なっ!?良いじゃないですか!!」


友人2人の言葉で顔を赤くしたフィネークが、拗ねたように言う。

何ともほほえましい光景だな。のんびりと眺めていられるやり取りだ。

が、


「悪いが魔法の習得には時間がかかるからな。じゃれるにしても説明の後にしてくれ」


「あっ。ご、ごめん」

「気を付けますわ」


今やりたいことは魔法の習得だ。

できるだけ早く練習を始めさせたいから話は終わってもらう。


「さて、ではまずは早速基本から始めるとしよう」


「はい!あれですわね!手をつないで魔力の流れを感じるとかいう!!」


俺の言葉にセシルが反応して目を輝かせる。他の2人も同じ様な顔をして、何かを期待したような表情になったな。

まあ、実際手をつなぐなど肌を直接触れ合わせて魔力を扱えるものが相手の魔力を動かして魔力を感じさせるという方法はある。

よくファンタジーな作品なんかでは定番な手法で、質の低い魔法の教室なんかではこの方法を用いるところも多いな。中にはこれを理由にセクハラまがいのことをするところもあるらしいが……………。

と、そういった話は置いておいて、


「残念ながら、そういった手法は使わない」


「「「えっ!?」」」


俺が首を振り、3人はそろって驚愕した表情を見せる。

まさか自分たちの知るその方法が使われないとは思わなったのだろう。


「じゃ、じゃあ、いったいどんな方法を使うんですの!?」

「魔力を感じるって言ったらやっぱりあれが定番だと思うんですけど」

「あれをやらなったら魔力を感じる練習じゃないよ!」


3人が困惑した声を………いや、1名ちょっと違うことを言ってるやつもいるが、とりあえず困惑はしているようだな。

ただ、


「基本的に、ある程度魔力操作が行なえるようになれば接触せずとも他人の魔力を操ることは可能だ」


「「「えっ!?」」」


再度の驚愕。そんな話は聞いたことがなかったのだろう。

まあ実際、そのレベルまで魔力を操れるような人間は少ないからな。知らないのもこれは仕方がないだろう。

ただ、ある程度の質の魔法教室なんかでは魔道具を使って魔力を感じるという手法をとるところが多いから、触れ合い以外の手法を知っていてもいいと思うのだが。


「とりあえず俺が操るが、おそらく似たような感覚をフィネークやセシルは経験しているはずだ」


「私たちが経験、なの?」


「ああ。フィネークの場合戦闘艦のレーザーやレーダーを強化する際に多少使っただろうし、まず魔法自体使えるだろう?」


「まあ、そうだけど。でも魔力とか考えたことないよ。多少意識で魔法の強弱で変えられるけど、魔力を知覚できてるかって言うと……………」


微妙な顔をされる。

だが、魔法を使える時点で多少の感覚は養われているはずなのだ。


「えぇと。フィネークに感覚があるのは分かりましたけど、私はなぜですの?」


「セシルは、敵からシールドを奪ったりするだろ?あれでも魔力の流れは生まれている」


「ああ。なるほど」


今はシールドを奪って自身のシールドとして使用しているから、かなりの流れがあるはずだ。確実に何かしら体が覚えているはずである。


「まあ、物は試しだ。とりあえず適当に動かしてみるから感じててくれ」


「「「は~い」」」


3人の体内の魔力を適当に巡らせてみる。

あまり激しすぎない程度に、しかし分かりやすいように大きめに。しばらく魔力を動かしていると、


「あっ。なんかそれっぽいものがありますね」


「ん?最初はダリヤだったか」


魔力を動かす機会があったと思われるフィネークやセシルではなく、ダリヤが最初に感じた。

王族の教育には魔力を感じるというものがあるのだろうか。

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