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48.飛来してきますけど何か?

俺が無差別に殺害していた生物たち。一応人間以外の知能が低そうな生物は残している種もあるが、たいていは息の根を止めている。

ただ、さすがにその死体まで回収して集めるというのは同時並行の作業で行なうときついので、戦いが終わった後で良いかと後回しにしていたのだ。

その結果として、


「死体を取り込んで自分の体に変えやがった……………」


人間だけでなく、数種類の生物の部位をキメラは自身につけている。とても面倒くさそうな見た目をしていた。

人間の頭部っぽい物もサラッと生やしてるから、微妙に知能も上がってるかもな。面倒極まりない。


「周囲の死体はすべて除去。戦闘艦にレーザーでも撃ってもらって消し飛ばした方が良いかもな」


キメラが闇を使って確保してくる前に、俺は近場の死体を次々と回収していく。

この後1か所に集めて、まとめて焼き払ってもらうつもりだ。

とはいえ、


「この微妙に強化された思考能力が厄介だよなぁ。絶妙に死体が多そうな場所を選んで移動しているし。というか、明らかに周辺の環境を理解したうえで行動しているよな」


その周辺で死亡した生物を取り込んで、記憶にあった地理まで取り込んだのかは分からない。が、確実に生物を確保するような動きは見せてきていた。

闇を伸ばして確保しようと居てくるのをレーザーで対処して時間を稼ぎつつ死体を回収していき、新たな死体を吸収されないようにする。

とはいってもさすがに地面にいる小さな虫なんかはどうしようもなく、吸収されてしまっているようではあるな。


「全身に虫が浮かび上がってくるのはさすがに気持ち悪いからやめてほしいが……………」


今のところ見た目に虫の要素が出てきたりはしていない。ただ吸収しただけ、と言った感じだ。

もしかすると今まで気づいていなかっただけで虫なんかはキメラが取り込んでいたのかもしれないが、この吸収がまた厄介なんだよん。本当に少しでしかないが、回復されているんだ。

生物を取り込んで回復するとか厄介過ぎるだろ。


「回復ポッドもそうだし虫の吸収もそうだが、回復能力持ちはひたすら面倒くさいんだよ!!」


確実に魔力も含め削れてはいるのだが、回復がある分その削る量をより多くしなければならない。

ここでの問題はやはり、俺がもう何度も言ってきている魔力残量だ。


「時間をかければ回復量がそれだけ大きくなるが、速攻で倒せるような状況でもない、か」


同じことの繰り返しにはなるのだが、そこで俺が最後までついて行けるのかが問題。ここまで引き延ばされると、さすがに俺もまずい。

何度も敵が現れ敵が強化されと言うが繰り返されたから、最初に余裕をもって試算していた魔力の使い方でも到底足りなくなってきている。

しかも、そんな風に俺が弱気になっていることを読み取ったのかは分からないが、


「ゴオオオォォォォォ!!!!!!」


「っ!?しかも、今度は俺狙いかよ!」


キメラは魔法でブーストをかけ俺に接近してくる。

今度は生物だけじゃなく、俺自身も移動させなければなるのだ。適当にレーザーで纏う闇を払いつつ、敵の動きをできるだけ遅くしながら周囲の環境を整えていく。

俺自身を移動させるのには生物の死骸を運ぶのとは違ってある程度精密な操作が必要だから、またここでも魔力がな………


「まあ、まだ向こうも俺の位置を把握しきれていないのは救いことなのだが」


キメラからは基本的に距離を取るようにしていた。ある程度距離が離れていても魔法でどうにかできるし、俺自身が動いたり近づいたりする必要はなかったのだ。

だからこそキメラは遠距離からの攻撃か受けてこなかったため、俺の正確な位置は把握できていないのである。

と言うか、癖のようなものだが俺の魔法は俺の位置を誤認させるような使い方をしているので少し見当違いな方向に進んでもいるな。


「これで索敵能力まで完全だったらさすがにどうにもならなったな」


とはいうが、今もどうにもなっていない。

時間とともにじりじりと俺の魔力が減っていくことを感じつつ、キメラをどう対処すればいいのかと考えるのであった。

直後、


『ゴトー。お困りのようですわね』


「ん?隊長?」


通信が入ってくる。通信の主は、セシル。

このセリフが出たということは、何か解決案があるのか、それとも逃げようぜと言う提案をしてくるのかは分からないが、


「今この惑星に近づくのは非常に危険だと思われます。何をするにしてもあれの動きを止めなければ」


『問題ありませんわ!キメラくらい、私がどうにかして見せますわぁぁぁ!!!!!」


「え?隊長?」


いったい何をするのか。そう思った瞬間だった。

俺の張り巡らせていた探知の魔法に、突然引っかかるものが現れる。それは味方からだと判断される宇宙からの飛来物であり、


『体当たりですわあああぁぁぁぁぁ!!!!!』


「隊長の、機体?」


セシルの専用機だった。

どこからか奪ってきたのであろうシールドを纏った戦闘機体が、キメラに向かって突撃を仕掛けてくる。


「……………えぇ?」

色々とチーレムさせてますけど、この作品って結局悪役令嬢がチートって話なんですw

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