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45.結局魔法ですけど何か?

「まともな生物はすべて消し去ってくれる素敵なレーザーを使うとしよう。ありがたく消滅してくれ」


俺は適当に軽口をたたきつつ、周囲から携帯用のレーザー銃を魔法で拾ってくる。

小さいとはいえ、レーザーであるため性能に関しては十分である。破壊力は非常に高い。キメラに向かい、その引き金を引き、


「くたばれ」


撃ち抜いた。防御力の高そうな自慢の部位に当ててやって、さらに敵の防御能力を低下させる。

……………そう考えていた。だが、


「ん?なんだ!?」


突然俺の視界を覆いつくすほどのまばゆい光があふれだす。

俺はすぐに物陰に隠れ、風魔法で防御を行なう。ただ、数秒経っても特に何か起こるということもなく、


「ほ、本当に何なんだ?」


俺は風魔法でいろいろと確認していく。

間違いなく光は俺がキメラにレーザーを使ったからだというのは分かる。だが、だからと言ってレーザーを照射したことにより何が起きたのかが分かっているわけではないのだ。

ただ光を放出しただけならばいいのだが、


『少将!ご無事ですか!?』


警戒しているところで、部下から連絡が来た。

さっきの光は艦隊の方でも感知したみたいで、俺に影響がないかと心配されたみたいだ。ちょうどよかったので、


「小官は特に問題ない、ただ、敵の方に何か変化が起きている可能性があるから調べてもらえるか?」


『分かりました。すぐに調べます』


キメラの近くは光だけの被害では収まらなったようで、俺の風魔法で見るには少し無理があるのだ。すべてそれらを魔法で押さえつければいいのかもしれないが、そんなことをすれば必要のない魔力まで消費してしまうからな。

できるのであれば、魔力を使わない確認方法を選びたい。

ちなみに視覚に頼らない俺の魔法での確認だと、特に変化があったようには感じられない。


そう。傷があるといった変化すら確認できないのだ。


『少将。確認完了したので報告します』


「ああ。頼む」


数秒もしない間に部下の確認が終わり、俺に確認した内容が報告される。

それによると、


『敵対生物の、腕、というか、何か形容しがたい部位に変化が見られます。微弱ですが光を発していて、その反応はレーザーのものに近いです』


「レーザーに近い反応、か。先ほどまでなかったと考えると」


『おそらく吸収したのではないかと思われます。光学兵器の類は逆に敵に利用されかねないので控えた方が良いかもしれません』


「そうか……………」


光学兵器。つまり、レーザーなどの類は吸収されて逆に利用されてしまうから、使わない方が良いということだ。

そうなると、


「小官が魔法で倒すしかない、か?」


『そうですねぇ。一応実弾兵器で電磁砲やミサイルなども使えますが……………』


「ああ。一応装備している船があったか。ならば準備だけさせておけ。小官で難しいようであればそれに頼るほかないだろう」


『ですよねぇ』


正直に言えば、今すぐにでもそういった兵器に頼りたいところではある。

だが、ここまで強いとサンプルが欲しいという気持ちもあるのだ。電磁砲やミサイルだと最悪消し飛ばしてしまいかねないから、できるなら俺の魔法で始末したいところではあるんだよな。


「データも回収はできたが、どこまで詳しく書いてあるかもわからんからな」


キメラがいたところからとれるデータはすべて取った。

だが、だからと言ってそのデータの中にこの生物の情報がすべて詰め込まれているわけではないと思われる。このレーザーを吸収して身に纏える力は研究次第で非常に強力なものになると思われるし、先にデータを削除されていたり元々データを取っていなかったりする可能性も高い。


「だからこそできるだけそれぞれの部位を切り落として研究したいところではあるんだが……………」


先ほどから再三言っているが、俺は今非常に魔力が少なくなってしまっている。個の魔力量であの予想以上に頑丈で厄介な性質を持つキメラをどうにかするのは困難だ。


「……まあ、やれるだけやってみるとするか」


とりあえず敵の傷口なんかを重点的に狙いつつ攻撃を繰り返す。

それと共に数は少ないが光学兵器以外の兵器を取ってきて、キメラに使ってみた。

例えば小型(この世界での話だから普通に俺よりデカい)のミサイルや、今にしては珍しい実弾性のライフルとかな。


ただ、


「俺の魔法でたいして傷がつかないんだから、豆鉄砲程度じゃ意味ねぇよな。ミサイルも、吹き飛ばすことはできるがダメージ自体は低そうだな」


ライフルなんかはほとんど意味がなく。恐らく向こうにとっては石を投げられてるのと大して変わらないのだろうといった様子だった。

ミサイルも吹っ飛ばすのには使えたが、それでダメージがあったかと言うと微妙なんだよな。ノックバック性能が高いがダメージの低い武器って感じがする。


「こうなると、徹底的に魔力消費を最小限に抑えつつ魔法で戦う必要が出てくるか」


非常に面倒くさいがそれしか手はなさそうだった。

振り回して三半規管があるのかは知らないがそこへ影響を出そうとしてみたり、周囲から酸素を奪って呼吸ができないようにしてみたり。

色々とできそうなことはやってみた。

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