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44.思ったより硬いですけど何か?

「グアアアアァァァァァァァ!!!!!!!!!!!」


バリバリと咆哮が響き、空気が震える。耳がキンキンするな、

ただ、とりあえずこの咆哮による特殊な効果はないように思えた。方向感覚もくるっていないし、三半規管を狂わされて吐き気を催すということもない。

これで反響を使いエコーロケーションしてくるんだったら話は別だが、そういったことは今のところないように見えた。


「まずは切り刻んでみて、と」


簡単な魔法から仕掛けてみる。

風の刃でその肌を切り裂きあわよくば腕や足などとは表現できないような歪な部位を切り刻もうと考えていたのだが、


「げっ!?防いできやがった!?」


どこがどう固くなっているのかは分からないが、俺の風の刃は効果を出すことができなかった。傷1つなくキメラはぴんぴんしている。

咆哮まで出していて、俺の鼓膜も相変わらず破られそうになっていた。


「まあ、硬さで防がれるならまだマシか」


最良はここで奇麗に切り刻んで楽に倒してしまえることだった。

だが、無理だったとしてもその無理なものに段階が存在する。その中でも特に最悪な部類の1つである魔法吸収や魔力吸収という部類の力をもっていなかったのは何よりと言って良いだろう。

その場合直接的な俺の魔法で対処することもできないし、


「移動もさせられないから、な」


俺はその施設に被害を出してデータなどに損傷を出さないようにするため、キメラを別の場所へ移動させる。やり方は難しくなく、風で包んで無理矢理持ち上げて投げ飛ばすのだ。

もちろん強い力で押さえつけて飛翔などはできないようにしつつな。


とはいってもこの押さえつけは、それ以上に強い力で動かれれば意味がなくなってしまう。

俺の風の刃を防げるくらいだから筋肉も相当なものかと思ったが、


「そこは問題なし、と」


翼とか羽とか大量についていたのだが、全ては把握しきれない。だが、あのキメラの体を浮かせるほどの力を持つものはとりあえず動かせないみたいだな。

大きい翼のような物とか腕なのか翼なのかよく分からない異物とかはひときわ強い力で押さえつけているのが良かったのかもしれないな。


「じゃあ、このあたりに落ちてもらうとしようか」


ぶっ飛ばしたキメラを、地面へと追突させる。一応全体的に体は押さえつけるが、風に包んだままだと衝突の衝撃が緩和されるかもしれないから最小限に抑えた。

少し動きもあるが、ゴッ!と鈍い音がして俺の狙い通りキメラは地面と激突し、


「あぁ~。羽みたいなのが折れた、か?」


ほそっちい何かの羽のようなものが折れたように見える。

大した損害には見えないが、弱い部分もあるということが分かっただけでも僥倖、


「さて。では次の実験へと移るか」


すでに実験へと変わってしまったが、キメラに効く攻撃を探してみる。

飛ばしてある程度何をしても大丈夫だと思われるところまできたのだから、俺も周囲の被害とかあまり考えず、


「まずは物理だよな。斬撃には耐えたが、刺突や打撃ならどうだ?」


魔法で周囲から建物だとかいろいろなものを持ってきて、投げつけてみる。キメラを地面にたたきつけた時に羽が折れていたから、こういった打撃でも小さいダメージが積み重なっていくだろうと俺は考え、


「数か所は折れるなり欠けるなり傷はできたか」


予想通りこまごまとした傷がキメラに増えていく。

弱い部分でもあるのとないのとではない方がこちらには有利になると思われるため、しばらくそういった攻撃を続けた。

途中でたたきつけたものが大きく崩れたりして、それによって出たくずを舞い上がらせて瞳のような部分にねじ込んだりもしたぞ。

流石に目をつぶされるのはつらかったのか、その時は悲鳴に似た大きな声を出していたな。


ただ、こうして続けているとだんだんと効果が薄くなっていくように感じる、

傷ができるペースも落ちてきているし、キメラも何となく防ぎ方を心得てきているように見えた。


「まあ、こうなったなら攻撃方法を変えて」


俺の攻撃は叩きつけと風の刃だけじゃない。

こうして敵が防御を固めてきた時だからこそできることもあるのだ。

例えば、


「その防御を貫通させてもらう」


防御破壊のための一点突破。

刺突、というか、風魔法でドリルのようなものを使ってそれで相手の体に無理矢理穴をあけるのだ。

この魔法は魔力の消費量がなかなか多く操作も難しいのだが、防御を突破するのにはもってこいの魔法であり、


「ゴオオオオオオォォォォォォォォォ!!!!??????????」


キメラの悲鳴がこちらまで響いてきた。今までのものと比べても一段と響く悲鳴で、それだけ他の部位と比べても俺の破壊した部位は痛みが出る部位だったのが分かる。


「さて、とりあえず防御も貫通できるのは分かったが、そう何度も今の状態だと使えるものではないからな」


とりあえずできた傷を無理やりこじ開けたりしてさらに部位破壊を引き起こしつつ、俺は考える。

魔力の残量的に何度もできる魔法ではないし、他の攻撃でできれば防御は破りたいところだ。

ということで、


「レーザーも試してみるか」


正直もう艦隊のレーザーで消滅させてもらった方が良いのではないかという考えになっていた。

そんな俺の考えが、甘すぎる想定だったとは知らずに。

関係ない話ですけど、知らない間に存在は知っていた魔法少女ファンが悪の幹部になる話がアニメ化してて笑いました。今でもああいう際どいアニメってあるんですね

OPが前半健全そうなのにも笑えますw

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