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43.相手が悪かったですけど何か?

1人。また1人と俺の風魔法によって切り飛ばされていき血を失っていく敵が息絶えていく。

賭けに出るということで数人はスライムの核を破壊しに向かったりもしているが、物量で押し返されて上手くいっていないな。俺に後ろから攻撃されて終わりだ。


「くっ!これが地上特化殺戮兵器か………」

「1人であそこまで行けたのだからどうになるかと思っていたが、甘かったようだな」

「無念」


一矢報いようと迫ってくるやつもいたが、魔力操作の精密性に欠けていてすぐに地に倒れ伏すことになる。

死の間際まで魔法で抵抗しようとしてくるのは敵ながらあっぱれと思うところなのかもしれないが、


「俺に傷の1つも負わせることができなかった。かわいそうに……………まあ、相手が悪かったな」


俺は無傷。相手は大損害。

宇宙の方も惑星からの攻撃で完全にこちらが優勢な状況となっており、戦場全体を含めてこちら側の大勝利だった。


後は、


「隊長。お願いします」


『分かりましたわ!でも、本当に良いんですの?』


「はい。そこまで高性能な物でもないようでしたので、破壊してしまって良いかと」


『なるほど。それなら心配なく壊せますわね。10秒後に行わせますので逃げるなら逃げてくださいまし』


セシルへと連絡し、レーザーを地上に向けてはなってもらうことにした。危険物は周辺にないことは分かっているので、目的通りの効果だけで終わると思う。

10秒の猶予を貰い、俺はレーザーの撃たれる場所から離れて、そしてカウントダウン終了後、


「おぉ。なかなか地上から見ると凄い光景だな」


1本の光の柱が突き立つ。俺の元まではただ光が来るだけだが、魔法でいろいろ調べるとやはり周辺の温度が上昇しているようだった。

まあそこまでして何がしたかったのかと言えば、


『しかし、スライムが際限なく成長し続けるというのは面白い話ですわね』


「やり方次第では将来的に軍事作戦へ活用できるかと」


『ふむ。まあそこは研究次第と言ったところですわねぇ』


スライムを消し飛ばしにかかった。

回復力が高すぎたから俺でも少し無理があったんだ。ただ、そこで戦闘艦のレーザーを使ったのだが威力が桁違いで一瞬だったな。

回復ポッドに核は入ったままのようで、微妙にレーザー範囲外に肉体の出ている部分はあったもののレーザーの一撃でスライムは消滅した。


「では小官は帰艦致します」


『あっ。それはまだちょっと待ってくださいまし。ゴトーにもう1つ仕事をしてもらいたいんですの』


「仕事、ですか?」


とりあえずやることもやったし船に戻ろうと思ったのだが、セシルから止められてしまう。何かやることがあるらしい。

惑星奪取をするうえでやっておくべきことはすべて終わらせたのだが、いったい何を求められているのだろうか。


「具体的に何をすればいいのでしょうか?さすがに魔力をかなり消費しているので、魔法で大きなことをするというのは難しいのですが」


『あら。そうなんですの?私たちが戻る前に取れるデータは抜き取ってほかったんですけど。難しそうでして?』


データを抜き取るという作業は、惑星を奪い取るときにセットでついてくる作業だ。俺は既に実行している。

あまり対応が遅いと、データは外部からも内部からも破壊されかねないからな。

劣勢だと判断すれば敵は機械を爆発させたり、本部から強制削除したりするし。


「必要だと判断したデータはすでに抜き取ってありますが」


『ああ。それは仕事が早いですわね。お疲れ様ですわ。しかし、捕虜になった敵兵の一部から座標の話が出てきたのでそこを探ってほしいんですの。そこにも重要なデータがあるらしくて』


「なるほど。了解しました」


捕えた敵兵が何かを言っていたということは、罠なのかそれとも本当に何かあるのかは分からない。

ただ、何もないという可能性は低いと考えられた。

罠の場合はそんな危険物を残しているわけにもいかないし、探ってみることにする。

詳しい座標を教えてもらい俺の風の魔法で探って、


「……………隊長。捜索したところ、明らかに不自然な反応がありました。緊急の場合に備えて、二等兵に狙撃させる用意をしておいてほしいのですが」


『分かりました。すぐに準備させることにしますわ』


予想通り何かあった。生物と言えば生物っぽい反応なのだが、明らかに自然生物っぽくはない反応。警戒してフィネークに狙撃の用意をしてもらうくらいには危なそうな反応だ。

それはまるで、


「キメラ、か?」


キメラ。

いくつもの種類の生物が組み合わさって作り出される存在であり、倫理には完全に反した存在。とはいっても宇宙で規制されていたりはすることなく、実在することはあり得る。


「俺が見つけられなかったのだから、魔力量が多いわけではない。と言うか少ないくらいか?いや、隠すのが上手いというだけの可能性があるか」


魔力量が少ないなら対処は楽だが、隠すのが上手いのであれば魔力を使った何かをしてくることにも警戒しなければならなくなる。

先ほどもセシルに言ったようにあの人数の魔法を扱える存在を相手して疲れているのだが、


「楽に終わらせてはくれないよな?」

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