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39.ミサイルですけど何か?

『ゴトー!圧勝させてもらいますから、せいぜい覚悟してくださいまし!』

『ゴトー君。悪いですけど本気で行きますからね。何もできなくても仕方ないと思ってください』

『しょ、少将。2人がやる気なので私も頑張ります。あんまり気を落とさないでくださいね?』


3人娘はやる気満々と言った様子で俺に通信を届けてくる。負けるなんて微塵も思っていないらしい。

まあ、それに関しては俺も同感だ。いくら精神的に疲れていると言えどセシルとダリヤが2人がかりで専用機を使ってくるなら、俺に勝ち目などあるわけがない。しかもそこにフィネークまで参加するとな………。


「まともにやっても面白みに欠けるし、いつもとは違う船を使うか」


どうせ負けるんだから俺もせいぜいいろんな船を使って遊んでみようと考え。

普段は使うことのないミサイル艦な中型艦をまずは選んでみる。


そして始まった瞬間に、


「ターゲットロックオン。ミサイル発射!」


やけくそとばかりに、セシルの機体とダリヤの機体3機ほどにターゲットを取って、ミサイルの半分ほどを放射した。

流石に俺がミサイル艦を選んで初っ端からそんなことをしてくるのは予想外だったようで、


『え!?ミ、ミサイルですか!?セシル、かわしますよ!』

『分かってますわ!とはいっても、このミサイル追尾型ですわよ!?盾にできるものがあるならまだしもこの状況だとさすがにきついですわ!?』


セシルとダリヤは警戒していなかった攻撃に慌て、逃げ惑う。

ダリヤの方も他の機体の方の注意が散漫になっているようで、近づいてきてはいるものの切れがないな。

この間に逃げつつ、


「機雷シールド、っと」


俺は機雷を放出する。数秒後、付近で機雷が爆発し、俺の船を攻撃から守った。

攻撃の主は当然、遠距離から攻撃してくるフィネークだ。かなり離れた位置から撃ってきたようで、船のレーダーにすらフィネークの機体は映っていない。

こうして1回攻撃を誘って方向を割り出さないと場所も分からないんだから、フィネークも大概チートだよな。


『ちょっ!?少将最初に私を狙うんですか!?2人とも助けて下さぁい!』

『『無理です(わ)!』』


フィネークが2人に泣きつくが、まだミサイルの対処に追われているようで拒否される。相変わらず不憫だな。

専用機に乗るようになって多少は変わったような気がしたが、まだまだドジで不憫なところは残っているようだ。


「では、助けがないならありがたくもらうとしよう」


俺は適当に遮蔽物や機雷などを使ってフィネークの凶悪なレーザーを防ぎつつ接近し、一応ミサイル艦ではあるが装備されている弱っちいレーザーでその機体を破壊した。


『3人がかりで行って最初に私破壊されるんですかあああぁぁぁぁ!!!?????』


こうして1人脱落させた。

後残るは2人。


………なのだが、さすがにここから先は俺が不利なまま進んだ。

苦戦はしていたもののミサイルはすべて破壊され、改めてダリヤとセシルから襲いかかられる。

ミサイルで対処しようとするもののダリヤが機体の1機で全てのミサイルを引き付けて損害を1機だけにとどめ、その間に、


『さぁ!シールドをひん剥いてやりましたわ!!観念してくださいまし!!』

『おっと。1機やられましたか。でも、もう守れるものは何もないですよ?ほら、あとは私たちにゆだねてくれたらいいんです』


俺のシールドを奪ったセシルと、1機俺のミサイルで落とされたもののなんだか聞き方によっては別の場所での戦いになりそうなダリヤの猛攻を受け、俺はあっさりと敗北する。

こちらの成果はフィネークの破壊と、ダリヤの機体を1機破壊しただけ。

だが、普通にやってもダリヤの機体を1機落とせるかどうかすら怪しかったから、このミサイル艦の選択は意外と間違ってなかったかもしれない。


「悔しいです!もう1回!もう1回お願いします!!」


シミュレーション用の機械から出ると、フィネークは何もできずにやられたことが相当悔しかったようでそんなことを言ってくる。

いや、流石に何もできずにと言うのは言い過ぎか。一応俺の使った船の機雷はフィネークの攻撃を防ぐのに使わされて、セシルたちを巻き込むのには使えなかったからな。

あそこで機雷を消費していなければ、もう少し俺も長く粘れたはずなんだ。


「まあ、フィネークの気持ちも分かりますし、やっても良いですわよね」

「ええ。そうですね。まあフィネークの気持ちに協力するわけであって、決してまだ私たちがやりたいとかいうわけではないですけどね?」


「おや。殿下はあまりやりたくはないのですか?でしたら隊長と二等兵の2人のペアに小官が挑む形になり先ほどより戦力は拮抗するかもしれませんが」


「あっ、いや。べ、べべべ、別にやりたくないなんて言ってませんけど!」


「「いや、言ってました(わ)よ」」


「うぐっ!」


ツンデレ発言の揚げ足取りを俺にされて、ダリヤが慌てた様子を見せた。

そこにツッコミをセシルとフィネークから入れられて、ダリヤは不利を悟った顔をする。

そうして少しダリヤをからかったりしつつ、何度もシミュ―レーションを繰り返した。

ちなみに、俺はいろいろと戦闘艦を使ってみたものの、結局一度も勝つことはかなわなかった。

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