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33.道を開けましたけど何か?

敵艦へ侵入して爆破してという方法がこれ以上使えなくなり。計画は第2段階へ移行する。

次は、先ほどと違って制圧した船に長くとどまるようにする、

具体的に何をするのかと言うと、


「まずは制圧」


「「「「ぐわあああああぁぁぁぁぁ!!!!???????」」」」


今までと違って司令官までしっかりと殺害し、船の制御を完全に奪い取る。ただそこからこの船で攻勢に出たりはせず、裏工作へと徹する。


「100機は越えているか。意外と多いな」


まずは、戦闘機体の放出から始めていく。想定以上に数があり、魔法で平行して作業を進めていってもなかなかに大変だ。

しかし、同時にだからこそ価値が出てくる。

放出した戦闘機体は宇宙空間へと出ると、俺が設定した通りに全速力で散らばって飛んでいき、それを警戒した敵艦から次々に撃ち落とされていった。

ただ、


『お、俺たちも逃げるぞぉぉぉぉ!!』

『今のうちだ!逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろ逃げろぉぉぉぉ!!!!!!』

『え?とどまれって命令が…………あぁ!もう!皆逃げてるし仕方ないよね!?ぼ、僕も!!』


今まで宇宙空間に漂い味方から撃ち落とされるのを待つだけだった戦闘機体のパイロットたちが、俺の仕掛けた戦闘機体に影響を受けて逃げ出そうとしていく。

そうなれば余計に現場が混乱するのも当然であり、


「それは非常にチャンスとなる」


また戦闘機体に乗って暴れるのはさすがにマズい。もう近くまで迫ってきている俺の部下たちには見向きもせず、戦闘機体を沈めるのにほとんどの船が動いているくらいだからな。

敵よりも味方に交じっている不穏分子を消す方が先だというのが恐ろしい。

だが、おかげで、


「やはり。多少はほかの船に()()しても問題はないか」


誤射。あくまでも誤射の範囲内で敵の船に攻撃を当てていく。

そうして少しずつ敵の船のシールドを削っていくのだ。小型艦の主砲でも命中さえすれば破れる程度に。

そして、それと同時に俺は他の船からこっそり奪っておいた装置を使ってシールドをリチャージする。

ただの予備バッテリーのようなものではあるのだが、かなりお高い物だから小型艦などには入ってなかったんだよな。

唯一積んでいた大型艦を先ほど破壊できたからギリギリ手に入れられた。


「あとは待つのみ、か」


これ以降俺が行うことは、ただただ味方の到着を待つことだけである。

射程範囲にぎりぎり入る程度のところをうろうろとしている味方は、当然だが機雷をかなり警戒している。

通り抜ける時には一気に通り抜けたいだろうし、この段階で警戒するのは非常によく分かるな。


フィネークのレーザーも今までとは違って、大物狙いではなく穴をあけるための攻撃に比重が傾いている。

その穴をあけるためにはやはり、機雷が通り道にあるんだよな。

お陰で船に届かず機雷をいくつか爆発させるということも多い、


「この船の反応を見る限りまだそこそこの数の機雷は浮かんでいるか……少しこちらでも撤去に協力するとしよう」


俺の方でも機雷にも誤射していく。あくまでも誤射だ。

そうして誤射を繰り返すと、途中で何隻か巻き込まれる敵もいた。なかなかそれには反応が大きく、機雷から離れていく敵の数も自然と増えた。

お陰で余計に通れる穴が広がったぞ。


「なら俺は近づいておくか」


俺はあえて機雷の近く、それも効果範囲に入るか入らないかギリギリというところまで移動する。少し位置取りを間違えたり制御を間違えたりすると爆発に巻き込まれるような位置だ。

だが、だからこそ逆に気づかれにくい。


「こんな危険な場所に敵がいるとは思わんだろうな」


敵が潜んでいるにしても、後だったり被害をまだしやすい中央部だったりと考えるだろう。

しかし前線と言ってもいいその位置。しかも、機雷のすぐ近くに陣取っているなど考えもしないだろう。

そして機雷の近くだからこそ、誤射がさらに許されるようになる。なにせ、機雷を避けながら攻撃しなければならないのだから。

そうなると多少攻撃に無理が出るのも仕方のない事となる。


こんなことをしたお陰で敵はボロボロ。

数は多いが、適当に攻撃を受けてしまえばすぐに破棄されてしまうような状況だ。

そこへついに、


「来たか」


数隻の戦闘艦とフィネークの専用機だけの集団がツッコんでくる。

すぐに俺の近くの機雷が爆破され、俺の乗る船のシールドはほとんどなくなった。

この段階で俺は仕掛けを終わらせ、すぐに通信をつなぎつつ戦闘機体で脱出。俺のことを認識してくれたので攻撃されることはなく、無事回収される。


直後、


『すごいですね。少将』


「む?そうか?」


『はい。機雷で5隻仕留めて、捨てた船の方で3隻巻き込みましたよ」


「ふむ。まあ上々の結果ではあるか」


俺は船から脱出すると同時に、機雷を放出させた。自爆ではなく、単純に放出させるだけの形だ。

それに俺の近くの機雷がなくなったということで安心していた敵が攻撃して、巻き込まれ。そのころには俺の捨てた船は別の場所へ最高速度で飛んでいき、他の船を巻き込みながら衝突して数隻を巻き込んだ、と。


「とりあえず道は開いたな?」


『はい!これで通り抜けられます!!』

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