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19.フラグですけど何か?

敵の艦隊を1つ潰した。

その後味方の小型艦にセシル達を回収させて無人機生産基地へ戻ってきたのだが、


「意外と、来ませんわね」


「そうですね。此方のレーダーの探知範囲を探っている様な動きをしているように見えます」


敵艦隊は前後運動を繰り返している。通常のレーダーの探知範囲の少し外側を行ったり来たり。しっかりとフィネークが触れている状態のレーダーには映っているのだが、敵艦隊は真面目にどの程度の距離なら探知されないのかを探っているようだった。

此方としては悪いことでもないし構わないのだが、


「あまり時間をかけすぎると此方の援軍が来ると分からないんですの?」


セシルは不思議がっていた。

俺たちが時間稼ぎをしたいというのは向こうも分かっているはずなのに、なぜわざわざそんなことで時間を使うのか。このペースだと、高確率で無人機生産基地は此方の手に落ちるだろう。

ただ、考えられる可能性として、


「此方が新型のレーダーを所持していると勘違いしている可能性があります。探知範囲を計測して正確な情報を得たいのでは無いかと」


「なるほど。……それはあり得ますわね」


どこだって軍は、敵の最新の情報を知りたがるものだ。だからこそ最近はその情報を取らせないために大した性能も持たない廃棄する予定の船を出したりとかするんだけどな。見た目で新型だと判断して、向こうは率先して回収しようとしてくるから。

で、そうやって新型だと思ってたのが罠だったときは回収のためにかけた労力が全て無駄になる。敵の情報収集に金をかけさせて、下手に向こうが動けなくするのが理想だ。

だが、同じ事は向こうも考える。だからこそ、最近はおんぼろな船がお互いに打ち合いをするなんていう光景もよく見るな。


で、そんな話で何が言いたかったのかと言えば、結局皆新型に興味があると言うことだ。その見かけ倒しの船などとは違って、俺たちは本来レーダーに映らない距離からレーザーを撃った。つまり、向こうとしては確実に性能という面で新型だと考えられるものを確認できたわけだ。これがブラフだと考えることもできないだろうし、向こうはこの新型だと思われるレーダーという餌に食いついてくる。


「後は向こうの出方次第です。最新型だと思われるものを回収するために仕掛けてくるなら反撃を行ないますし、データを持ち帰るため逃げるなら深追いはしません」


「ふむ。……私としては、戦わずに済むのが1番ですわ」


「わ、私も戦わなくて良いのならそれが1番だと思います」


セシルの言葉と、それに便乗してくるようなフィネークの声。

フィネークとは特に会話をするつもりは無かったのだが、仲の良いセシルが会話をしているのに自分だけ何も言えなくて寂しかったのかもしれない。

ただ言わせて欲しい。2人は悪役令嬢と主人公だぞ。つまり重要なキャラな訳だ。


お前達が言うとフラグになるだろ、と。


「っ!敵艦増加!新たな艦隊が加わったようです!」


ほらな。

いや、まだ争いが起きると決まったわけではないが、敵が増えたぞ。ざっと見た限り、艦隊が3つくらい増えたのではないかといった感じだ。

一応牽制の意味を込めて、


「訓練生。移動だ」


「は、はい!」


フィネークをまずは移動させる。言わなくても分かるかもしれないが、瞬時にお姫様抱っこからの移動だ。もうセシルなどの数名以外は当たり前の光景のように見ているな。

で、そうして移動させたら、


「100,-30、-50。1発で良い」


「「「「イェッ、サー!!」」」」


主砲が発射される。目視することなど不可能なほど遠くに光線は伸びて、当たったのかどうかも分からないまま消えていく。それでも、牽制程度にはなるはず。

俺はフィネークをまたレーダーの方に移動させて、


「……ふむ。戦闘準備をした方が良さそうだな」


「そうですわね。私も戦闘機体に乗れるようにしておきますわ」


「……お気をつけて」


おそらく攻撃が当たったのだと思われる艦隊が移動して別の艦隊と合流。だいたい4つくらいの艦隊が集まって、少しずつではあるが此方に近づいてきている。

孤立していると狙い撃ちされる可能性があるとか考えたのかもしれない。


「この無人機生産基地が此方のものとして使えるならもう少し楽なのかもしれませんが」


「それは難しいですわね」


俺の呟きにセシルは首を振る。

勿論俺だって本気で言ったわけではない。敵の工場で作るものが此方に役立つものになるとは思えないからな。


「設置する機雷を増やしますか?」


無人機という戦力強化の話が出たからか、部下からそんな提案が。

それも悪くは無いと思う。小型艦の1番早いやつに行かせればあと10個くらいはおけそうだからな。


「やるだけやっておくか。航路は此方で指示するから好きな場所に置いてくるように伝えろ」


「イェッ、サー!!」


数秒後、小型艦が1機動き出す。機雷を10個置けば、事前に設置していたものとも合わせて流石に1艦隊くらいは機雷だけで落とせると思うんだよな。

後は、


「どこでどう仕掛けて、時間を稼ぐか。……残す防衛戦力も考えなければな」

今更かもしれないですけど、作者がイメージしてる戦闘機体ってガ○ダムのボ○ルなんですよね。

皆さんはどういうものをイメージされているでしょうか?

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― 新着の感想 ―
[一言] 待って……ボ○ルって後方から戦艦砲とか載っけて撃つのが仕事だったのに普通に戦闘してるってことは高機動型とか、戦闘機とかもいないのですかね。 どうなんだろう。隊長すごいんだなぁ
[一言] さすがにそれなりに高速で動いてそうだしボールのイメージは無かったなぁw 適当な戦闘機型で想像してた。 というかある程度継戦出来てる時点でボールとは結びつかないw
[一言] ボ〇ルやオ〇ゴには乗りたくないなぁ 宇宙戦艦のイメージからコス〇ゼロやガ〇ラスファイターをイメージしてましたが、帝国VS共和国なのでT〇E系VS〇ウィング系もかっこいいなぁと思う今日この頃
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