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16.敵が見つからなくて不安ですけど何か?

無人機生産基地はあっさりと稼働を停止した。何やら俺たちが撃った電磁遮断の弾に無人機達が反応していたが、特に何もできずに基地へ攻撃は直撃した。もしかしたら通常の状態で撃つと無人機からの総攻撃で付近での爆発を引き起こされて巻き込まれたのかもしれないが、


「光属性による機能の向上は上手くいったか」


「はい。レーザーとは違い発射装置だけに集中したため、2割程度速度が上昇しています」


フィネークに魔力で射出機能を強化させて、弾速を上げた。その結果、敵が打ち落とせない程度の速度にできたわけである。

2割と聞くとたいしたことないんじゃね?と思うかもしれないが、宇宙空間での速度は基本的にとんでもないのだ。普通に光より速い攻撃とかあるから、2割速くなるだけでも充分である。


「残党を殲滅しろ。その後基地に侵入して解析と掌握を行なう」


「「「「イェッ、サー!!」」」」


残党、つまり電磁遮断の空間に偶然にも入らなかった無人機達を俺たちは片付けていく。工場の方にレーザーを当てないように気をつけながら攻撃だ。

こういうときに役立つのが、小回りがきいて攻撃能力もそこまで高くない戦闘機体だ。セシルが高い機動力を活かして無人機を潰していき、戦果を増やしている。工場を掌握するときには戦艦の中に入ってもらって、補給と整備をさせた方が良いかもな。……いや。わざわざ同じ機体に乗らせる必要も無いか。新しい機体を用意させておこう。


「隊長凄いですねぇ。帰りを合わせたら1000機倒すのも夢じゃ無いかもしれないです」

「流石隊長だな。やっぱり格が違うぜ」

「セシル様。凄い」


部下達がそんなことを口々に言う。どうやらセシルの倒した無人機の数は着実に1000に近づいているらしい。

現在は800くらいだとか。

そんな感じでセシルが討伐数を増やしていって、


「……残党の残存数が10%以下に低下しました!」


「では、侵入する。突入部隊に号令を」


「イェッ、サー!……突入部隊に通達!これより敵基地へ突入する!心して取りかかれ!」


『『『『イェッ、サー!!』』』』


通信係が通達を行なうと、通信の向こう側から俺にも聞こえるほどの声量で返事が返ってくる。突入隊も気合いは十分な様子だ。

俺たちの艦隊はゆっくりと基地に近づいていき、しっかりと降り立ったとも言えないような状況で船のハッチが開いて突入隊が駆け出していく。突入隊が船にいるのは俺がいる大型艦と、中型艦2隻だ。それ以外の小型艦は護衛をするように宇宙(そら)に漂っている


「突入開始しました。現在基地内での戦闘は発生していません」


「分かった。引き続き各部隊の様子はしっかりと見ておけ」


「イェッ、サー」


部下達は真剣な表情で突入達が持っているカメラの様子を眺めている。モニターには全ての突入部隊の様子が映っていて、それぞれが生産基地内部の状況を理解するには十分なものだった。

そして、突入部隊が頑張っている間、


「ふぅ~。疲れましたわ」


「お疲れ様であります。隊長」


「ふふっ。そちらもお疲れ様ですわ」


額に汗をにじませたセシルがブリッジに入ってきていた。ほどよくかいた汗が光を反射し、金髪であるのも相まって輝いた印象を受ける。


「ここの制圧が終わったら、また戦闘機体を使ってもよろしくて?」


「はい。構いません。新しい機体を用意させてありますのでいつでも」


「あら。準備が良いですわね。ありがとうございますわ。……確実に1000体、いや、それ以上の敵を沈めて見せますわぁ!!」


気合いが入っている様子だ。若いなぁ(俺も充分見た目は若いけどな)。

気合いが入っているセシルには、護衛の連中が汗を拭いたり飲み物を渡したりとかいがいしく世話している。慣れた様子でセシルは受け入れているが、もし俺がこんなことをされたらキレ散らかしている自信があるな。

邪魔だ、と。


「隊長は艦長室で休憩されますか?」


護衛が色々動いてて邪魔なので、一応聞いてみる。ただ、俺の予想通りではあるのだがセシルは首を振って、


「いいえ。突入部隊の様子を見させてもらいますわ。こんなのを見るのは初めてですの」


「そうですか。……では、そのように」


俺たちは突入部隊の映るモニターを眺める。一部は周囲の状況を撮影していたりして隊員が見えなかったりするが、大抵は安全確認のためにも映されている。

ここまで何分か経ったが、今のところ何も問題はなく行動できているな。ただ、どこかにここにいた人間が固まって隠れている可能性もある。しっかりと警戒して事に当たる必要がある!油断大敵だ!!

……なんて思ったのが数十分前。


「全ての部屋を確認終了しました!敵軍の人間はいないようです!」


結局何も無く終わってしまった。

何も無いのが逆に心配になって送られてきたデータと基地の外観から測った大きさを比較して隠し部屋を幾つか見つけたりもしたのだが、結局敵はいなかった。

……なんだか拍子抜けな気がする。


「……す、凄い。これ売ったら凄い金額に」

「隠し倉庫のこれ、新型じゃ無い!?」

「た、大尉凄ぇ。こんなのを見つけ出すなんて……」。

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