表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
16/244

15.乙女ゲー関係ないチートですけど何か?

忙しくて執筆が間に合わずストックが無くなってます。投稿できない日があるかもしれませんが、今月で仕事からは解放される(もちろんあるけど)ので、来月までは気長に待って頂ければ!!

「あの。私、工場っぽいの見つけました」


「……ほぅ?」


フィネークが何か見つけたらしい。レーダー系統にも何も反応は無いんだが、どうやったんだろうか。

そんなことを思いながら視線を向けると、


「え、えと。レーダーの機械にたまたま手が当たって、何か一部分がもやっとした感覚がして……」


「……もやっとした感覚、か」


感覚できやがった!!それじゃあ大切なことが伝わらねぇよ!もうちょっと何か色々説明の仕方あったと思うんだが……。


「では、もう一度触ってみるように」


「ひゃ、ひゃい。分かりました」


少しうわずった声で返事をした後、フィネークはレーダー機器に触れる。それから数秒後、レーダー機器を見ていた部下が慌てたように、


「レ、レーダー探知範囲拡大!規定値以上の距離の情報が取得されています!!」


そんな言葉を。

……これが、主人公の力だというのか!乙女ゲームの主人公のくせに明らかにおかしい方向のチートを持ってるじゃ無いか!何なんだよ!目茶苦茶有能じゃ無いか!!

とは思うが、忘れてはいけないことがある。主人公と言えばチートを持っているだけでは無い。ドジっ娘属性も併せ持っているのだ!!


「あっ!」


予想通り、そんな声がフィネークから漏れる。そして、その身体は前のめりになり、慌てて伸ばした手はレーダー関係の機器の配線に伸びて、


「危ないぞ」


その伸びた手を俺が取り、身体を受け止める。

……間一髪だった。危うく配線をブッチされるところだった。流石に冷や汗が出たな。


「は、はわわわわっ!?」


俺に受け止められたフィネークは、あまりにも見慣れた「はわわっ」を繰り出した。ドジっ娘属性は口調にまで表れるものなのだな。

フィネークは暫く、はわわっを繰り返していたが、


「しゅ、しゅしゅしゅしゅ、しゅみましぇん!!」


目を回しながらも謝ってきた。因みに俺にかなり密着しているのは変わらない。

ただ、俺としても大尉としての姿勢を崩す訳にはいかないから、


「以後気をつけるように」


「ひゃ、ひゃい!!」


注意だけしておく。

密着することに関して顔を赤くしたり慌てたり笑みを浮かべたり、そんなことは絶対にやってはいけない。冷静な俺のイメージが崩れ去ってしまうからな。

暫く俺が支えているとフィネークも思考が正常な状態に戻ってきたようで、俺の身体から離れる。

それを確認してから俺は、


「訓練生の活躍により、敵の生産基地らしきものの位置は割り出せた。現在より激しい戦闘が行なわれる場合に備え、持ち場に戻っておくように」


「ひゃ、ひゃい!!」


もう噛んで返事をすることがデフォルトなのでは無いかと思うような返事をした後、フィネークは元の持ち場に戻っていく。

俺たちの艦隊は、基地だと思われる場所の近くに進んでいった。

途中で、


「大尉!」


「どうした?」


「隊長の使っているレーザーのエネルギーが残り30%程度になりました!」


「そうか……分かった。目標地点到達の10分前に予備を隊長に渡すように」


「イェッ、サー!!」


セシルの使う武器のエネルギーが足りなくなりそうだったので、予備のエネルギーを渡しておく。一応エネルギーパックのようなものがあって、武器に取り付けることができるんだ。エネルギーパックもかなりの量のエネルギーが入っているし、しばらくはエネルギー切れになることも無いだろう。


「……見えました!敵の無人機生産基地です!」


目標通りの時間で目的地に到着し、基地を発見。モニターに映し出される基地は、まさに工場だった。

しかも、一切の防衛設備が確認できない。

これなら、


「電磁遮断を行なう。弾の用意を」


「「「「イェッ、サー!!」」」」


電磁遮断。少し特殊なことなのだが、電磁遮断された空間では一切の電子機器が破壊されるという特徴を持つ。その電磁遮断が行なわれる空間を作り出す装置を弾に取り付けたものが、この船には常備されているのだ。

難点として弾速が遅かったり、近くで破壊されると逆に自分たちの船がダメージを受けたりするのだが、今回のように狙いやすい場合は都合が良い。しっかりと照準を合わせて


「発射用意!」



【sideとある軍人】

俺はモニターを見ていた。カメラが仕込まれているのは隠していた無人機生産基地。どうやら敵に発見されてしまったようだが、運が良いことに敵は本格的な攻撃をしてきていない。

おそらく電磁遮断でも行なって綺麗な状態で工場を確保したいのだろう。


「くくくっ。バカめ。返り討ちにしてやる」


敵は油断しているようだが、此方が何も対策をしていない訳がない。無人機には特殊な設定をしていて、電磁遮断を行なう弾には集中して攻撃を仕掛けるようになっているのだ!もし敵が弾速の遅い例の武装を使おうものなら、


「自分の使った武装で苦しむことになるのだよ!ふはははは ーーブツンッ!ーー はは……あれ?」


俺は首をかしげた。なぜか急に、モニターの映像が消えたのだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ