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4.主人公居なくてもどうにかなりますけど何か?

三人称視点で進み、最後少しだけ主人公視点になります。

ゴトー・アナベルのいなくなったブリッジの中。

それは彼がいなくとも回る。それどころか、彼がいる時以上にそれぞれの活動量と仕事量とその効率が高くなっていた。


「新人たちがいるのでいつもより0.5秒の余裕を持たせます。差し込むタイミングを間違えないように」


「了解。新人組はカバーできるところに配置したから問題ないはず」


「OK。他の艦からも問題ないって連絡来てるよ」


「よし。ならいつも通りこのまま突撃するぞ」


指揮を執るのは、普段はゴトーの補佐官をしている者。

ゴトーが艦隊の隊長だったころは副隊長を担っていた。毎度のごとく行なわれる突撃後、秒単位の計画を即座に作り出すため『時間の鬼』などと艦隊内では呼ばれ一部では恐れられていた存在。


もちろん、いるのは作戦の立案者だけではない。

立てられた計画に沿える艦隊の編成を瞬時に考案する補佐役や、複数の艦からの連絡を同時に聞くことができる聖徳太子に肩を並べられそうなオペレーターもいた。

それ以外にも、敵の動きを割りだし予測するものや、敵が絶対に嫌がるタイミングで攻撃を放つ才能があるものなんかもいる。


そんな人材がそろっているからこそ、


「10秒後、隙間が空き敵基地まで届けられるようになる予定です」


「よし。少将へ連絡しろ」


「了解『少将。後3秒後に射出します』」


すぐに連絡が入る。

10秒後といったのに3秒と伝えるのは時間経過が早過ぎないかと思うかもしれないが、ゴトーの待つときの精神状態を考えると少し時間を開けたほうが良いのだ。

早過ぎず、それでいて多少リラックスできるが気が緩み過ぎない程度で、


「3,2,1,射出!」


ゴトーの殻が大型艦から押し出される。

彼はまっすぐに目標地点である基地まで飛んでいき、一切の邪魔が入ることもなく到着する。これで、基地の制圧は問題ない。


「少将があそこまで行けたなら、あとは時間稼ぎだけで良い」」


「よぉし!いっぱい妨害しちゃうぞ!」


制圧できるのは確実。彼女たちはゴトーの腕を信頼しているため、その前提は崩れない。

であるからこそ、あとはひたすら基地の制圧を待ちつつ時間稼ぎをするだけだ。


彼女たちも時間稼ぎの秘策はいろいろと今まで考えてきてある。

例えば、今までは通用しなかったであろう今だからこそ使える、


「戦闘機体射出!!」


各戦闘艦から放出される戦闘機体の数々。もちろん、全て通常の機体だ。

これらはすべて誰も人が入っているものではなく、ただ船から射出されただけのもの。


なのだが、


「敵艦、各戦闘機体を追うように動いていきます。周辺の敵艦、一時的だと思われますが半減しました」


今まで戦闘機体など警戒されていなかった。

だからこそこういったことをしても、せいぜい誰か重要な人間が逃げる程度だと思われていたのだ。


が、今は違う。

今の戦場では、主にセシルやダリヤといった存在の影響で警戒しなければならない対象となっていた。戦闘機体も、脅威と認識されるようになったのだ。


「たとえすべて射出されただけだというのがほぼ間違いないとしても。そうでない可能性が1%でもあるのなら対処しないわけにはいかない」


そうなのである。

それが敵側の苦しいところだった。


敵も脅威であるセシルやダリヤといった存在がこの艦隊にいるのかは調べているはずなのだ。脅威に少しでも気づき対応できるようにするため。

しかし、だからこそ今回は理解してしまったがために対応せざるをえないのだ。

この艦隊が、セシルを隊長とする艦隊だと知ってしまったがために。


「有名であるからこそできるブラフというわけだねぇ」

「いやぁ~。さすが考えることがあくどい」


各々作業を進めつつ、作戦のあくどさに苦笑を浮かべる。

作戦の立案者はまるで自分は関係がないと言わんばかりに目を背けていたが。さすがにそれは無理があった。同僚たちのからかうような視線が突き刺さる。


「……しょ、少将は、もうそろそろ専用機は見つけたかなぁ~」


いたたまれなくなったのか、彼女は強引にゴトーの話を持ち出して話題を変える。

同僚たちも無理矢理な話題の転換に理解はしつつも、必要なことではあるため止めることはなく。


「そうですね。現在少将は………………」




《sideゴトー・アナベル》

想定以上に厳重に張り巡らされていたシールドをかいくぐり、敵の基地へ侵入し。制圧自体は問題なく行うことができた。

もちろん、専用機がある格納庫の発見も。

……が、正直俺は混乱している。


「これ、だよな?これであってるんだよな!?」


副隊長としての姿を忘れ、思わず素で驚くぐらいには驚いている。

一応俺は伯爵から専用機のデータはもらってきていたのだ。だからこそ、見た目もある程度わかるし、すぐに見つけることができるようにしておいた。

そのはずだというのに、


「全くの、別物になってるじゃねぇか!!」




【悲報】専用機、敵によってめちゃくちゃ改造されてる【これ任務達成になるの?】

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