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37.少将とは思われませんけど何か?

「……手錠をして、よし!これで終わりだな」


ティアお手製の閃光手榴弾を使って敵の闇を一切使用できない空間を作り出し。そこから近接攻撃と風魔法のコンボで決め切った。

正直身を守る闇魔法がなくなった段階で気絶していて後の攻撃はかなりオーバーキルだった気もするが、殺してないから許されるだろう・。


伸びてしまった敵は魔法が使えないように専用の手錠をして捕えてある。

後はこいつを軍の専門の部署に送り届けて拷問なりをするのだが、


「す、すまないが。詰め所に来てもらえるか?」

「そ、その手から銃を放してだな。いや、あの、脅してるとかじゃなくてこれはその……」


俺たちの戦いが終わったということで静止に入れることもできなかった力のない警察どもが集まってきた。

さっきまでの攻防を見ていたためか非常におびえており、警察としてはかなりアウトな対応をしてきている。

ただ今回はそれを見逃して、


「あぁ。ちょうどいいところに来たな。俺はこういうものだ」


俺はプライベートなので身に着けていなかったものの普段から持ち歩いている俺の階級を表すバッチを見せた。

軍と警察は本来違う組織ではあるのだが、色々とかかわる機会はあるし、ある程度の立場があればそれぞれの組織で通用する。

ということでそれぞれお互い階級などを把握するためにこういった印などは覚えており、


「え?しょ、少将!?」

「ほ、本物!?これ本物なのか!?」

「い、いや。さすがに少将には若すぎる気がする………………けどあの戦い見たらあり得る気がしてしまう!!」


俺が示したものはきちんと理解しているが、さすがに俺が少将であると理解するには無理があった様だ。

基本的にその辺の階級は爺さんばっかりだからな。

恐らく同じ階級で1番年が近い人間でも、40以上は離れているはずだ。


ということで、俺が少将であると納得されないのは仕方のないこと。


「とりあえずこいつは手錠を外さず厳重に警戒して軍に送ってくれ」


「りょ、了解?」


「俺も詰め所に行くのはかまわんが、一応上には連絡を入れさせてくれ」


「お、おう」


完全に勢いに飲まれていて、警官たちはうなずくことしかできない。

まあ俺にとっては問題ない事なので、その間に上層部や王子、艦隊のメンバー、逸脱者などに今回襲ってきた敵のデータと戦闘時の映像を送っておく。

ここまで圧倒的な強さを持っている敵ならば脅威であることは理解できるだろう。

かなり派手に戦ったしな。


で、そうしてデータを送れば戦闘が終了したことが分かり、


『ゴトー。終わった?』


「ああ。終わったぞ。ただこれから詰め所でいろいろと説明をしなきゃいけないから今日はもう無理そうだ。時間を取ってもらったのにすまんな」


『いやいや。かまわないよ。最低限伝えなきゃいけないことは伝えたからね……じゃあ、頑張ってきて。次会うときはもっと落ち着いていられることを祈ってるよ』


「そうだな。それは俺も思ってる」


ティアから連絡が来て、軽く会話を交わす。

今回の戦闘で勝てたのもあいつが作ってくれた閃光手榴弾のおかげだ。通常のものと違って一切影などもできないものだったからこそ敵が闇を使えなかった。

まあ、代わりに俺の目はつぶれてしまったが。目をつむっていても空間内を光が満たしてきたのはどうしようもなかった。

そのため現在俺は一切目が見えていない状態である。

まあ魔法でだいたい周囲の状況は分かるし、問題はないのだがな。


「………………よし。とりあえず必要な連絡は終えた」


「あ、ああ。じゃあこれに乗ってくれ」


「分かった」


一通りやることを終わらせてこの世界のパトカーに乗る。

詰め所に着いた頃には上層部から俺が本物の少将である類の情報が回ってきたようで、事情の説明の際はめちゃくちゃ接待されながらだった。接待に必死だったせいで俺の目の回復はかなり遅れたな。俺が失明していることが分かった後はめちゃくちゃ謝罪された。


俺を現場でパトカーに乗せた警官らは青い顔をしていたが、俺が口添えをして処罰はないようにしておいた。

とても感謝されたが、さすがにこの見た目で少将を語るのは俺としても無理があると思っているんだ。


で、説明をしたら解放されるのだが、


「な、なんだこの化け物は!?」


「襲撃者でございます」


「ほ、本当にこのような化け物がいるのか!?この闇の柱など、あり得ないだろう!!」


「実際に戦った私からは事実だとしか……」


その後すぐに呼び出された。王子に。

公爵からも呼び出しを受けたのだが、王子への説明を優先させてもらったな。公爵には前回の敵が対策をとってきた件について探りを入れてくるから、あとでその件も併せて報告すると伝えてOKをもらった。

王子を単純に優先したのではなく、探りを入れるという目的もあったから許されたわけだ。


「殿下もこのような存在はご存じないのでしょうか」


「当たり前だ!幾人も暗殺者というのは見てきたが、こんなのは初めてだ!」


王子もこの暗殺者は知らないらしい。

王子の手のものではないということだな。


ここは少し遠回しに探りを入れてみるか。


「実は前回任務に出てきた時から違和感を感じていたのですが……」

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― 新着の感想 ―
[一言] > 俺は一切目が見えていない状態である。 でもまったく普通に行動してるようなので、「目がくらんでる状態ぐらい~でどうにでもなる」程度のフォローが欲しいw
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