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34.対策ばっちりな襲撃ですけど何か?

本来1つ簡単な仕事を終わらせる程度のはずだった。

だがそれがいつの間にか1つ増え、また1つ増え、仕事でないものが増え。といった感じでいろいろと忙しかったが、それでもとりあえず一段落した。


敵から追われながらも基地に戻って一時的な安全を確保した俺たちは、その後特に何もなく帰ってくることができた。

その後はドワーフから3人娘に専用機の受け渡しがあるということでいったん俺たちは休暇を得られる。

一応休暇の初日の方はスパイが奪っていったデータの中に俺たちの艦隊の人員の個人情報が入っていたとかで、そっちの処理に追われたりはしたがな。

人質に取られないため部下たちの家族とかを保護しておく必要もあったし。それと同時に軍事機密が他国に漏れまくっていたという事実は隠すようにしなければならなかった。


そうしていろいろと作業を終わらせた後。

いったん息抜きも兼ねつつ、ティアと会っていろいろと話をしている。


「いやぁ~。助かった。これもらっておいてよかったな」


「おっ。本当?私の作ったものが役に立ったなら何よりだよ」


俺はティアに指輪を見せながら礼を述べていた。

この指輪は前回ティアの工房に行ったときに拾ってもらってきたもので、周囲に闇を作り出す効果を持っていた。これを使って俺はフィネークの魔法を打ち消したわけだ。俺も他人の魔法をあの状態で解除するのは骨が折れたし、本当に助かった。


「でも、正直それは失敗作なんだよねぇ」


「そうなのか?」


「そうそう。だってそれ、ゴトーとかあの子たちとかにしか使えないよ?」


「まあ……そう言われるとそうかもしれないな」


あの子たちっとティアが言うやつらのことは置いておいて、実際この指輪を使える存在はかなり限定させる。

ただ使用するだけなら問題はないのだが、


「闇の範囲と効果時間は魔力操作で決まるからな」


「そうそう。そんな細かい魔力の操作なんて普通はできないからさぁ」


暗に俺が普通ではないと言われているわけだが、それに関しては俺も受け入れているので聞き流す。

しかし、そう言われると確かに失敗作というのも納得できるものなんだよな。この指輪は、開発者のティアでさえ思ったように使うことはできないだろうから。

この失敗があったからこそ、


「これが、」


これが生まれたわけか。

そんな言葉と共に改良の結果を出そうとして、その動作が止まる。俺の体が反射的に動いた。

前方に座っているティアの元まで飛び込み、その体を抱えて転がっていく。直後、俺の元居た場所には巨大な闇の柱が突き立っていた。


「これは、襲撃かい?」


「おそらくそうなるな。なんで急にこんなところで……」


俺は舌打ちをして悪態を吐きつつ、2丁のレーザーガンを取り出す。そして背中にティアをかばうようにしつつ周囲から敵の存在を探す。


「……おまえか。見事な黒ずくめだが、何の用だ?」


全身真っ黒な服に身を包んだ人間かも分からない存在が、近くに佇んでいた。俺はレーザーガンをそいつに向けつつ質問をする。

ただ相手も暗殺者が板についているようで、


「………………」


「おいおい。だんまりかよ」


これでは一切情報が引き出せない。

かなり先ほどまでの魔法も練度の高いものだったし、相手も相当な実力者であることはわかる。俺みたいなやつではなく、きっと普段は王族やら貴族やらの護衛が多い連中を始末する仕事をしているのではないかと思うほどだ。


「厄介だな………………手を頭の後ろに回して組め。そのまま膝をつき頭を下げろ」


俺は銃口を相手に向けつつ、軍人というより警官のような対応をする。


「………………」


「まあ、従うわけがないよな。知ってたよ」


暗殺者らしき相手は俺の指示などどうでもいいと言わんばかりに両手へ銃を持つ。

そして、


パパパパンッ!

「実弾か。民間人じゃ違法な改造パーツまで使ってるだろ………そっちがそのつもりなら、俺もやってやるよ」


向こうは俺を殺しに来るつもりらしい。ならばこちらも全力で行くまでである。

俺はまず両手に持ったレーザーガンを乱射する。


「まあ、当たるわけないよな」


狙いも大してつけずに乱射しているため、数発しか相手には向かって行かない。そしてその向かって行ったものも、敵は闇のシールドのようなものであっさりと防いでしまう。

魔法の使い方が一般人とは比べ物にならないほどにうまい。今時魔法を使う奴なんて本当に少ないというのに、俺への対策でそんな貴重な人材が送られてきたのかもしれない。


「本当に厄介で面倒くせぇな」


艦隊の対策をされたと思ったら、今度は俺個人への対策まで取ってきやがった。明らかに王子の意図を超えた別の勢力の影が見え隠れしているが、それの具体像が俺にはさっぱり見えない。ただただひたすらきな臭いだけだ。

ただ向こうが俺の情報を持っているのは間違いないようで、


「おっ。これも全部防ぐか」


俺がレーザーで気をそらそうとしても、まず効果がないからなのか一切気にするそぶりもなく。それで気をそらしている間に使ったつもりだった風の魔法もすべて防がれてしまった。

俺の使う魔法はすべて無効化されてるし、かなり分が悪いな。

強さのインフレが始まりましたw

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