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32.反転は繰り返されますけど何か?

本日2話目です。

できるだけ早くしたつもりだった。

ただそれでも、いくら効率的に動いたとしても敵は備えていたわけだ。計画していた敵と無計画でいた俺たちとでは対応に差が出るのも当然のこと。

少し気がたるんでいたのは否めない。


俺たちが敵艦を制圧しデータを抜き取った後。

またもや敵艦の影をレーダーが捉えた。

先ほどとは違いレーダーの探知範囲ギリギリの場所ではあるのだが、


「……敵ですわねぇ」

「敵ですねぇ。しかも、結構な数いますよ?」

「こ、これ大丈夫なんですか?逃げられますか!?」


セシルやダリヤは表情を引きつらせ、フィネークに至っては慌てまくっている。俺の部下たちも、さすがにオワタ、みたいな顔をしている。

まあ、オワタとかそんな古臭い単語が出るくらいにはひどい状況だ。


「敵艦は約50隻。まだ完全ではありませんが、もう少しで包囲されてしまいそうです」


「了解した。すぐにでも包囲される前に抜けなければならない。進路を示してあるから、ある程度それに沿って艦隊を進めるように」


「「「「………………っ!?イェ、イェッサー」」」」


俺から送られてきた予定進路に一瞬思考を停止させた後、驚愕しつつもすぐに動き出す。

俺たちの探知が通常であるためか敵もそれをカバーするよう数で攻めてきたようだ。が、だからと言ってその数が完璧に連携が取れているわけではない。

まだ完全な包囲時の陣形が組み終わる前に数隻俺たちの船のレーダー探知範囲内に入ってさらにフィネークの強化によってすべての船の位置も特定できたし、


「抜く場所もありますね」


「そ、そうなんですの?」

「まあ閉じてしまいそうではありますが、ぎりぎり隙間といえるものはありますね」


「あ、あのぉ。その隙間ってギリギリどころじゃないくらい狭くなっていっている気がするんですけどぉ………………」


「まあ、でもそこのギリギリに頼るしかないんですわよね」

「ですねぇ」


「え、えぇ~」


非常に現実を諦めてしまいたくないような内容の会話が後ろで行われているが、聞こえないフリをしておく。

敵の包囲が完成しそうで敵の連携が良いわけではないがそれほど悪くもなかったなんて言う現実に目は向けない。

それよりも、だ。


「ギリギリ間に合いそうですね」


「ですわね。意外といけるものですわ」


「う、うそっ!?そんな簡単にいくものですか!?絶対そんな距離には見えませんでしたけど!?」


フィネークの言う通りだった。実際、俺にもそうは見えなかったし、これが敵の罠だったのは間違いない。

が、


「おっと、反転ですの!?」

「なんで……って、後からまた追加の敵艦が!?」

「わ、罠だったってことですかぁぁぁ!!!????まあでも、そうですよねぇぇぇ!!!!!」


包囲の穴。

それはある意味罠のようなものだった。敵も包囲した後俺たちを追ってくる速度がそこまで速くはなかったし、明らかにこの穴へ差し出すようで不自然だったのだ。

穴の先では、数多くの敵艦が待ち構えていたのだ。


とはいえ今回はそこまで読んでいたので俺たちの艦隊は反転。包囲を抜けたところを叩こうとしていた敵艦は、急に反転した俺たちを追いかけようとするものの逆にそこに密集しすぎていてうまく速度が出せずおいて行かれる。

まあそれでも、


「これ、包囲を狭められて終わるだけではありませんの!?」

「特に状況が好転してないですからね」


何もよくなってはいないし、敵は迫ってきている。

一応俺たちの正面側に、逃げる時に機雷は仕掛けたりしていたのだが、


「敵艦の砲撃です!機雷がすべて破壊されました!」


こちらの機雷など読まれていたようで、正面の敵に撃ち抜かれてしまう。もちろん砲撃をしてくるのは正面からだけではない。後方から迫ってくる敵以外のすべてが砲撃を行なってきた。


「シールドの消耗は大したことがないが、じり貧ではあるか」


いくらシールドで守れるといっても、この包囲でちまちま削られた後に後ろから迫っている敵艦からかみつかれたら数隻は落ちる。

となると射撃を止めさせるか後ろの敵をどうにかするか包囲を崩して突破するか。そのくらいに俺たちのできる行動は限られてしまうわけだ。


で、俺たちの取る選択肢は、


「っ!?またですの!?」


「え!?それはどうするつもりなんですか!?」


また。セシルはそう言う。今回は2回目だからな。

だが、だからこそ相手の裏をかける。さすがにこんなことをするなどと敵は予想しないだろう。


「また反転してどうするんですかぁぁぁ!!!!????」


包囲の突破は厳しく、敵の砲撃を止めさせることも難しい。そして脅威である、俺たちを追ってきていた敵艦がいるため、後退もできない。

そう思わせておきながらの、反転だ。


ただし反転して正面からぶつかったところで敵の方が数は多く、不利であることは分かっている。

だからこそ。仕掛けたのだ。

敵も数の差があるから油断しているだろうし、


「っ!機雷が敵艦に接触!敵艦5隻を巻き込み爆散しました」


「よし。できた穴へ突撃だ」


「「「「イェッ、サー!!」」」」


敵もさすがに反転と機雷を仕掛けるのを2回行うとは思っていなかったのだろう。

見事にかかってくれた。

明日(2023年11月26日)、新作投稿予定です。

すでに書き終わっているもののためこの作品の執筆へ影響はありません。


オススメしたいところなのですが、なかなか頭がピンク色な状態で書いた作品なのでいろいろとひどいです。観覧する際は自己責任でお願いします。

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