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23.漢解除ですけど何か?

11月11日、ポッキー!!!

仕事終わんなくて作者の心もぽっき…

先に足の速い奴をつぶすのも完璧な仕事を目指すなら必要なことだった。

が、少しそれをするには問題があったのだ。


「来ました。敵が本格的にこちらへ迫っています」


「そうか。戦闘を始めるのは隊長の方が早いと思うが、そちらに関してはどうだ?」


「隊長にも接近は伝えてあります。問題ないとのことです」


「わかった。ではこちらはシールドの展開を調整しつつ待機だ」


「「「「イェッ、サー!」」」」


敵はほぼ正面からやってくる。だから、シールドは正面を強化しておくといい。

まあ、もちろん奇襲や裏切りを考えて正面以外にもシールドは張っておくがな。


「隊長たちが本格的な戦闘を開始しました」


「支援の砲撃はどの程度効果が出ている?」


「多少は出ていると思いますが、明確に何か状況が変わるような結果にはなっていないかと」


「そうか。それも仕方のないことではあるが」


敵の数は多い。多少こちらがレーザーを放ったところで大した被害も出ない。

相手の内側に潜り込んで乱戦に持ち込んでるセシルやダリヤの方がよほど役に立っているな。距離的にも効果の高い攻撃ができるのはあいつらの方だし。


………ただ、そんな状況はいつまでも続くわけではないんだよな。

いくら乱戦に持ち込めてて敵が手を焼いているとはいっても、


「抜けてくるのが出てきたな」


「はい。強引に突破してきたようです」


「強引に、か。無理をしてきたならどうにかできてしまいそうな気がしてしまうが…………とりあえず事前に定めていた数が抜けてくるまではこちらの主砲で対応しろ」


「「「「イェッ、サー!」」」」


抜けてき出したら。俺たちの船の本領が発揮される。通常の大型艦以上に攻撃力のある主砲を打ち込んでいき、強引に抜けたことでシールドの出力が低下していた敵を沈めていく。

たった一撃で、敵を沈めることができるのだ。

セシルたちが積極的に敵の脚を破壊しているため混雑しているし、その混雑を無理やり突破してもこの船の主砲の餌食。

どうしたってまだ突破はできない。


「序盤に隊長たちが足を破壊した船のいくつかは修復を終わらせて再度航行可能になっているようです」


「ふむ。直せたのか予想外だな」


動けないようにしていた敵が、自分たちで修理をしてどうにかまた動けるようにしてきたらしい。そんなことをしても俺たちに主砲を打ち込まれて破壊されるだけなのだが、それができたという事実は向こうにとって大きい。


「整備関係の人間の中にもスパイがいたのかもしれんな」


「そういったところの人間であれば、データも盗める機会はあるかもしれませんね」


整備をする際に隙を見つけてデータを盗む。それもできないことではないだろう。

簡単なことではないが、何年も潜入していたのなら確実にどこかで機会はあったはずだ。俺たちの船も整備の際に消去された可能性があるな。

俺がそんなことを考えつつ敵の動きを見ていると、


「少将」


「む?どうした?」


「正面の敵ではないのですが、少し気になる動きが」


「なんだ?」


どうやら敵に警戒しなければならない動きがあるようだった。

詳しく話を聞いてみると、


「………漢解除、だと?」


「はい。おそらくそういわれる類のことを行なっているものと思われます」


漢解除。

いわゆる、罠に対して勇気ある挑戦者がツッコんでいって解除するという恐ろしいことだ。これをすることで犠牲者こそ出るものの、罠を解除することが可能。今回の場合は、勇気ある挑戦者というより命令された愛国心の強すぎる兵士の行動になるがな。


「愛国心なのかただの生け贄なのか……」


「生け贄じゃないですか?愛国心だとしたら、洗脳が強くできてるってことですけど」


俺があえて触れてなかった話を軽い調子で部下たちは話す。そういうことに関してはうちの国でも似たり寄ったりだから、音声を上にあげたときに微妙な顔をされるだろう。

とはいえ任務中にそんな注意をして部下たちの集中ややる気を削いでしまうのも良くないし、俺は会話を無視しつつ、


「そのまま続けられると突破されてしまう可能性が高い。味方に余裕があるようであれば砲撃するよう連絡しろ」


「イェッ、サー!」


機雷の影響を受けないために、重要な船は機雷から離れた位置にいるはずだ。つまりそれは、追っ手である俺たちの味方側にいるということだ。とはいっても、近くの敵鑑と比べればというだけの話だが。

それでも今が1番のチャンスであることも間違いないわけで、


「砲撃が行なわれます。20秒後です。……………3、2、1。来ます!」


カウントが終わり、部下が叫んだ瞬間。俺たちの目に強い光が映る。真っ直ぐ伸びていくその光は、機雷の近くの敵が集まっているだろう場所までたどり着き、


「いくつか直撃したか」


「はい。ここで体勢を建て直される前にもう一度行なうとのことです」


更なる追い討ちがかかる。

が、スパイの船が沈んだかどうかは分からん。細かい識別はできないし、確認の取りようもない。かなり味方も本気で畳み掛けていたし、破壊できていると良いのだが。

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