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20.スパイが逃げますけど何か?

悪役令嬢感がないと感想で頂いた(感謝)ので、宣言します!次の章の終わりまでにそれっぽい話を書きます!!

「き、緊急の連絡です!出撃命令が出ました!!」


かなり勝負も終盤であと少しで決着がつく、というところで部下がそんなことを言ってきた。いくら盛り上がってきていたとしてもそんなことを言われてしまえば、


「わかった。すぐに用意する。移動しつつ詳しい説明を」


「はい。現在ですが………」


俺は3人娘たちを置いて移動しながら話を聞いていく。

それによると、俺たちが出した情報である程度犯人が絞り込めたので捕縛したのがきっかけとなって起こったことらしい。捕縛するまではよかったのだが何によってスパイが見抜かれたのか分からないものもいて、国内から逃げるスパイが急増。

スパイたちが協力していくつか船を奪っていき、大規模艦隊レベルでそろって敵国、つまりそいつらにとっては祖国に戻ろうとしている。


「今からこの艦隊が向かったところでかなりギリギリになると思うが?」


「今のペースだとそうですね。ただ、追いつけなくとも向こうの国がスパイを守るために艦隊をいくつか送ってくるのではないかと予想されていまして」


「なるほど、規模が大きくなればなるほど移動速度も遅くなるし、もし速度が落ちないとしても今のうちに敵の大軍を突破できる程度の戦力を集めておきたいということか」


「そうだと思われます」


迎えが来る場合、それと合流すれば速度は落ちる。だから、俺たちは追いつける。

逆に合流しないで、やってくる敵の軍がすべて壁となった場合。この場合は壁を突破するための戦力として俺たちが必要となってくる。

どちらにせよ高確率で俺たちは必要になるということだ。


「とりあえず各艦の艦長には裏切者が出ても対応できるような態勢を整えるよう伝えておけ」


「分かりました。できるだけ重要箇所は信用できるものを置くようにさせておきます」


「ああ。そうしてくれ」


これからスパイの処分に行くわけだが、俺たちの中にスパイがいないとも限らない。だからこそ内側からの攻撃に警戒しなければならないのだ。

一応ほとんどの人間は信用できると思うのだが、そう思わせるのがスパイなわけだし………疑心暗鬼になりそうだ。


「艦隊の配置は最悪裏切った場合でも対応できるようにこういう形に」


「分かりました。大型艦1隻を盾にする形になりますが」


「それはいつものことだろう。囮になるか味方が裏切ったときの盾になるかなんて、ほぼ変わらん」


「………なるほど」


ダリヤがきたときにもらった大型艦を、いくつかの戦闘艦の間に入れておく。こうすることでどれかが裏切ったとしてもその大型艦が最初の盾になってくれる可能性が高いため、こちらも対応しやすくなるのだ。

もし大型艦を避けるように動いたら、それはそれで怪しいと考えられる。


「もし不満を言うものがいたらリストにまとめるように言っておけ」


「分かりました。今のところ各艦から連絡は来ていますが、明確に怪しかったり不満を言ったりするものはいないようです」


「そうか」


分かりやすく動くスパイはいないということだな。こちらとしてもそれはありがたい。

もしスパイの数が多ければ1人くらいはあからさまな動きを見せるやつがいるはずだし、それがないということはスパイがいても数は多くないということ。


「………あぁ。そうだ。聞くのを忘れていたが、逃げているスパイたちは何か重要なデータを持って逃げたりしたのか?」


「それについては分かっていません。が、逃げる直前にデータベースへアクセスがあったのは確かだということです」


「そうか。となると確実に何かしらはあるな………確認作業も必要になるか」


何かデータを持っているのだとしたら、逃げた船を沈ませた後もそこに残ったデータの回収をやらなければならい。そこに重要なデータなんかがあったら奪われるリスクもあるしな。

そう考えると非常に面倒な状況なのは間違いない。

ちなみに本部の方のデータは一応セキュリティがあるから、今開いて他所に送るということはできなくなっている。きちんと解析できるところまで持ち帰ってから見るしかないという状況なわけだ。


つまり、こちらとしてはそのデータを持ち帰られてしまう前に倒せればいいわけだ。

逆に向こうとしては、たとえ何隻か沈められたとしてもデータさえ持ち帰ることができればそれでいい。


「データがどの船にあるかもわからない状況では、こちらが不利か?」


「どちらが不利かとは一概に言えませんね。これでしばらく今までのような量の情報が持ち帰れないとなると、今回の持って帰れる情報が今後にかかわる生命線になるわけですし」


「ふむ。そう考えればそうか」


多くのスパイが逃げたとなれば、しばらくこちらから盗み出せるデータの数は少なくなる。敵国としては、今回盗み出せる情報が今後の分に見合うかどうかという部分で問題があるわけだ。

そして、はっきり言って見合わない可能性が高い。


「………データの価値、か」

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― 新着の感想 ―
[気になる点] 主人公が乗船してる大型艦で数百人乗れるとありましたし、大規模艦隊ができるくらいのスパイがエスケープとか…。何千人規模のスパイが居たんですかね?
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