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19.ギリギリの勝負ですけど何か?

フィネークと俺の協力プレイ。という名の、フィネークの介護。

ここで俺は真っ先にセシルをつぶしにかかった。


「ダ、ダリヤ。申し訳ありません。沈められてしまいましたわ」


「え!?………ま、まあ、どうにかしてみます!油断大敵ですよ、セシル!」


「面目ありませんわ………」


俺がフィネークを保護するように戦うと思っていたセシルは、自分に向かって真っすぐに進んでくる俺に反応できなかった。こちらの戦闘機体に使うにしてはあまりにも強力過ぎる集中砲火を受け、あっさりと宇宙の藻屑となったわけだ。………まあ、普段は気づいてるとこんなのも平然と避けるからこいつらは化け物なんだがな。


で、セシルこそ潰せたもののダリヤが残っている。

ダリヤはフィネークの方に向かっているため、そちらも確実に対応しなければならない。のだが、


「ひぃぃぃぃ!!!!!!無理無理無理無理無理!!!!!!!」


「変な軌道ですね。私の予想と違いましたか」


フィネークはすでに補足されている。

が、まだ沈んではいないな。無理無理と騒いで入るが、ダリヤの読みが外れたこともあってもう少し時間が稼げそうだ。


ちなみにダリヤの読みが外れた理由は、俺がセシルを倒したことにある。

俺たちの最終的な目標は合流であるため、俺の示す行き先はセシルを倒した付近になるのだろうと考えていたはずなのだ。だが、そうでないような動きをしているから困惑しているのである。

つまり今フィネークは、誰もいない方向に向かって移動しているわけだからな。


「3機は遅れそうですね。おとなしく諦めるとしましょうか」


こちらの近くまで向かわせていた戦闘機体はあきらめておいていくつもりのようだ。ダリヤは残りの戦闘機体でフィネークの追跡と攻撃と俺の脚止めを行なうつもりみたいだな。

数が減ればそれだけこちらが有利にはなるが、


「少将!!早く来てくださああああああぁぁぁぁぁぁい!!!!!!!」


「そんなに早くはいけない。できるだけ速い速度で示した通りに移動するように」


「無理ですぅぅ!!!!やられちゃいますうううぅぅ!!!!!!」


フィネークはもう焦りに焦って、叫び続けている。が、叫んだところでどうにもならないのだから諦めて逃げてほしいところだな。

ダリヤは落ち着いて着実に迫っていってる。


「………っ!来ましたね、少将」


そして、俺の足止めまでしてくる。先ほどまでの訓練とは使われる機体の数が違うのだが、それでも速度は確実に落とされ、時間を着実に奪われる。

近づかれたら確実にフィネークは落とされる、セシルを俺が落としたのは間違ってないと思うんだが、それでもダリヤはダリヤで苦戦させられる。

俺たち側が不利なのを覆すまで行けなかったみたいだな。

だが、ダリヤは先ほどまでの訓練の、俺の()()()()な運転に慣れてしまっている。


「えっ!?少将!?そのコースで速度落とさないんですか!?ぶつかります………って、体当たりぃぃぃ!!!!??????」


俺は無理矢理シールドで戦闘機体に体当たりをすることで、足止めの機体を沈める。

俺の船のシールドは大幅に削れるが、今回大事なのは俺がいかに安全でいるのかということではないので問題はない。


「くぅ!予定よりも少将が来るのが早いですね!」


ダリヤが悔しそうにこぼす。

後数分は時間が稼げる計算だったのだろう。これだけ悔しい思いをさせられるのであれば、俺もシールドを犠牲にして体当たりをした甲斐があったというものだ。もちろん、体当たりを避けられない角度の割り出しなんかにも頭を使ったな。


「ですが、ここでフィネークを仕留めてしまえば!!」


「いやああああああぁぁぁぁぁぁ!!!!????????」


「っ!その動き、まさか!」


ダリヤは気合を入れてフィネークへの攻撃を激しくしようとした。

が、ここでダリヤにとって想定外の事態が起こる。

それが、


「曲がった!?」


ずっとこれまでほぼ直進をさせ続けていた。が、ここで初めてフィネークが曲がったのだ。それも、直角に近いような曲がり方で。

さすがに直角のターンは見ただけで対応することはかなわず、


「くぅ!離されますか」


フィネークが距離を開けることに成功する。ただ、正直もう少し進ませてから曲がらせてもよかったかもな、ここは指示を出した段階では読み切れなったから仕方のないことではあるんだが。

距離が詰まっていればいるほど、この直角のターンは対応するのが難しくなるわけだし。


だが、まあ高望みはよくない。

ここでやっと、


「きゃああああああぁぁぁぁぁ………………あっ!少将の船!!」


訓練内容の影響でつけられていたお互いの位置が大まかにわかる機材ではなく、戦闘機体の範囲の狭いレーダー。これに、俺の戦闘艦が映りだす、フィネークが喜びの声を上げ、悲鳴を終わらせた。

そこから俺の船へと接近するわけだが、


「あぁ………一応手を打っておいたのが役に立ちましたね」


「え?嘘ぉぉ!!!????」


突如として現れるダリヤの戦闘機体。どうやら念のためにということで、あきらめて放棄したと思っていた戦闘機体をこちらまで近づけていたようだ。俺の船より速度は落ちるが、3機居たからそれぞれ別々の方向に飛ばすことで何かに使えるのではないかと考えたようだな。実際、俺の船よりも圧倒的に移動速度は落ちるにもかかわらず、俺と同じくらいのタイミングでフィネークに迫ろうとしていた。

俺の船が早いかダリヤの戦闘機体が早いかといったところで、


「き、緊急の連絡です!出撃命令が出ました!!」

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― 新着の感想 ―
[気になる点] フィネークは本来の主人公として覚醒するのに時間かかりそうですね。
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