表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
126/244

12.自分の船との戦いですけど何か?

ss含めて2話投稿しておいてあれなのですが、現在作者の仕事が大変忙しくなっている状況で着々ストックが減っています。もしかすると今月の中旬くらいに投稿のない日が出てくるかもしれませんのでご了承ください。

「し、『死神』ですの!?」

「え?『死神』って、あの、ですか!?」

「う、嘘!?『死神』って、私たちでどうにかできる相手なんですか!?」


『死神』である。皆さん聞き覚えがあるだろう。

そう。俺の所有する船だ。


現在はシグマがちょうどこの一帯で活動していたみたいで、それにかち合った形だ。けっして、かち合って()()()()、ではない。

『死神』の名前はセシルたちも知っているみたいで、かなり警戒しているな。かなり高額の賞金がいくつもの国から出ているし、最近は生け捕りという条件付きではあるもののドワーフからも出たし。俺の知名度もかなり高くなってきている。


「落ち着いてください。確かに『死神』は強い力を持つ犯罪者ではありますが、1隻しか船はありません。たいていの場合安全マージンをとって戦うとのことでしたので、こちらが被害を受ける可能性も低いでしょう」


「な、なるほど」


「そうなんですね。それなら………」


それなら行ける、と2人は考えたようである。ただ、フィネークの顔が青いままだな。

基本的に一般市民にとって『死神』は犯罪者というよりも英雄的な側面が強いからな。ダークヒーローのような立ち位置といえばわかりやすいだろうか。多くの国で犯罪者として扱われる代わりに、分け隔てなくどこの国でも宙賊をせん滅してくれるというのは非常にうれしいことだろう。

軍に入ったばかりのやつだと戦いたがらない奴も多いと聞く。

まあ、色々と知識をつけだすとそれもなくなりはするようだがな。その身に着ける知識というのはさまざまだが。


「では、行きますわよ!」

「『死神』を捕まえましょう!」


俺たちの艦隊は、『死神』が確認されたという地点まで向かっていく。もちろん、レーダーに宙賊が映ればそれも狩りつつな。

宙賊の相手をしていたら多少は時間を食ってしまうが、それでも『死神』のときのように物資を回収するなどはそこまで重要なことではないため大きなロスにはならない。

だから、数十分後には、


「見つけましたわ『死神』!私が近接でとらえますわ!!」

「私も戦闘機体を出します!」


小型艦と合流して、目的のものも発見する。セシルとダリヤは戦闘機体を動かしに行ったぞ。

俺たちもこうなると攻撃態勢に入るわけで、


「主砲は?」


「いつでもいけます!」


「よし、撃て」


まず1発目。ダリヤやセシルが来る前に、景気よく威勢のいい1発をお見舞いすることにする。フィネークによって強化された最高火力を『死神』つまり俺の船に向け、打ち込んだ。

結果は、


「も、目標に回避されました!」


「ふむ。今のを避けるか」


フィネークの強化まで施された主砲だが、それでも避けられてしまった。かなり太さも強さもあるのだが、それを避けるのだから速さなどは申し分ないな。

見た感じ、そういった系統のものもティアが強化していそうだな。俺がこの間まで使っていた時よりさらに速く滑らかに動いている気がする。


「こ、攻撃が当たりません!」

「予測し攻撃を行なってもすべて避けられています!」


俺たちの船の主砲を皮切りにして艦隊全17隻。そこからダリヤが来る時にもらった1隻を除いた計16隻から攻撃が行なわれている。

しかし。そのほとんどが避けられていた。逆に、いくつかの小型艦が激しい反撃を受けて大幅にシールドを減らしているな。

だが、ここでさらにそれらに加えて、


「隊長とダリヤ様の機体が敵機に接触します!」


ついに2人の戦闘機体も攻撃に参加し始める。

が、ここで俺たちの砲撃が問題になってくる。いつもなら敵の数が多くて問題にはならないのだが、今回は敵が俺の船1隻のみだから俺たちの攻撃がフレンドリファイアしてしまう可能性が出てきてしまったのだ。これにより、急激にこちらの弾幕というか、攻撃が薄くなってしまう。


それでも戦闘機体がより効果的に働けばいいのだが、


「特殊な電磁波と魔力波を出しているようで、近づいた戦闘機体の一部機器が一時的に使用不可能になるそうです!」


「ふむ。そういうものまであるのか」


接近したら機器が使用できなくなるという恐ろしい機能を俺の船は持っていた。効果範囲は通常戦闘艦同士で戦う時には意味がないほど狭いのだが、戦闘機体を相手にするなら非常に効果的なものになる。

俺は改めて自分の船の強さを実感した。


「ダリヤ様が時間稼ぎを行い、隊長は撤退するようです!」


「わかった。支援砲撃を行うように全体へ通達」


「「「「イェッ、サー!!」」」」


セシルは逃げてくるようである。さすがに近づけない敵に勝負を仕掛けるのは無理があると判断したようだ。

ずっと実戦では勝利が続いていたし、もしかすると今回が初めての敗北かもな。

まあ、戦場で敗北が経験できるだけいいだろう。たいていの場合戦場での敗北は、死亡を意味するのだから。


ただ、逃げてくるからと言って俺の船が、というかシグマがそれを好きにやらせてくれるはずがない。

向こうもこちらに乗っているのが俺だとは理解しているだろうが、手を抜くことはほとんどせず。


「っ!て、敵機、反応が消失しました!」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ