10.3対1ですけど何か?
今日初めてあらすじの誤字に気付きましたw
「少将!その首もらいましたわぁぁぁ!!!!」
「逃がしませんよ少将!!」
いくつもの場所から俺の操る小型艦に向けて攻撃が行われる。が、そこに冷静にシールドを強めつつ反撃を行って俺は船を進ませる。
反撃は避けられてしまうが、それも読んだうえでさらに先回りして攻撃を行えば、
「くっ!1機やられました!」
「穴が増えてしまいますわね。しかし、的確に行動範囲も制限してきているのでカバーできませんわ!」
「すみません。すべて避けられたらよかったのですが」
ダリヤとセシルが苦々しい表情をしている。俺の反撃で1機落とされたのが痛かったようだな。このまま冷静に処理していけばどうにかなりそうだ。
そして、
「い、いやああぁぁぁぁ!!!!?????今かすりました!もう無理!もう無理ですよぉぉx!!!!」
俺と争っている最後の1機に攻撃をかすらせたようだ。最終目標はこっちということになっているから、実に嬉しいことだな。
本音を言えば直撃してほしかったところだが、それは高望みだろう。
「フィネーク!大丈夫ですわ!落ち着いてまっすぐ逃げるんですわよ!」
「そうです!とりあえず距離を稼げば問題ないはずです!」
「本当に大丈夫ですか!?って、ああああぁぁぁぁ!!!!????シ、シールドがもう5%しかないんですけどぉぉぉ!!!!」
現在、3人娘を相手取ってシミュレーターで戦闘中だ。
目的は勿論フィネークの訓練であり、内容もそのためのものになっている。
ルールとしては、一定距離までフィネークが俺の操る小型艦から逃げられたら勝ち。逆に、逃げられる前に沈めたら俺の勝ちといったシンプルなものだ。
セシルとダリヤはフィネークサイドでとりあえず戦ってもらっていて、俺の小型艦の足止めが役目となっている。
2人と交戦しつつフィネークから逃げられないようにするのだから、俺にとってもなかなかハードな内容だ。
「フィネーク、頑張って逃げてくださいまし!このまま負けたら5連敗ですわよ!」
「そうです!さすがに5連敗は許容できません!!」
「そんなことを言われましてもぉぉぉぉぉ!!!!!??????????」
現在俺が4連勝中。
全体の成績で言えば、22勝10敗だな。今のところ俺の方が勝つ回数が多い。というか、戦いを続ける中で俺がコツをつかんでしまって最初よりも調子がいい。
………と言いたいところなのだが、実際はいつもの感覚を思い出してきただけだと思う。この間まで新装備を取り付けまくった船を運転していたせいで、色々と感覚が狂ってしまっていたんだ。それを一般の戦闘艦に戻せただけだろう。
「さて。油断されましたね?」
俺は調子を取り戻してきても油断はせず、隙をうかがってきた。
ここまでフィネークのシールドを削ると足止め役の2人も焦るから、
「え?………………あっ!?嘘!?」
「「っ!?セシル(様)!!」」
セシル撃沈。
こうなってしまえばあとはもう消化試合となり、
「5,5連敗………」
「面目ありませんわ」
「い、いえ。セシル様は悪くないですよ。もう少し私がうまければ」
「い、いやいや。2人とも悪くないです。最初に1機落とされたのは私ですし」
俺にとっては5連勝。向こうにとっては5連敗である。3人とも非常にショックを受けたような顔で肩を落とし、悔しそうにしていた。
その後はフィネークよりもセシルやダリヤの方に熱が入ってしまい、休暇最終日はすべてそれに時間を費やした。
そして、そんな日が終われば次の日からは仕事である。
今回の任務なのだが、艦隊の規模が大きくなったということでまずは調整もかねて属国周辺の警備を行うことになっている。
「追加の中型艦と小型艦がどこまでの性能を持っているのかが問題ですわね」
艦隊に船も追加されていて、内訳としては中型艦2隻に小型艦3隻である。
艦隊全体における今の編成は、大型艦2隻、中型艦4隻。小型艦10隻だな。合計16隻ともなれば艦隊としてもそこそこの規模にはなる。
が、
「属国の船ですからね。こちらの船と求められた能力が違うことは確かでしょう」
「そうですね。戦術もこちらとは違うみたいですし」
「連携を考えるのが大変ですわねぇ」
俺の言葉にダリヤがうなずき、セシルが面倒くさそうな声を出す。が、あえて言いたい。
連携を考えるのは俺たちであって、おまえはやらないだろ?と。
セシル、隊長職に就いているのはいいがそのあたりの仕事には全くかかわらないからな。たいてい俺たちが案をまとめてセシルが、「あぁ~、たぶんいいと思いますわ」って承認するだけだし。
頭の片隅にはおいているんだろうが、自分で考えるというのはしてないだろうなぁ。




