4.新装備のお試しですけど何か?
新装備っていいですよね。ピーキーだったり下位互換だったりするのに、ゲームで新しい装備が手に入るとすぐ使っちゃいます。
………最近ゲームやれてないんですけどね(泣
「ぐぅ………僕がこんな辱めを受けるとは」
「辱め?あんなに喜んでたやつが何言ってんだ?」
「ちょっ!?そ、それは言わないお約束というものだよ!わかってないなぁゴトーは。これだから僕より知能が低い奴はねぇ」
「………もう1セット追加するか」
「え?………あっ。うそうそうそうそうそ!?もう無理だか、ら゛あ゛あああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!??????待って待って待って!頭がおかしくなりゅぅぅぅぅぅう!!!!!!?????」
なんか、色々あった。
で、結局テストが終わった数日後に俺は工房を出ることになった。その間、ずっとティアで遊んでたな。まあ、俺も楽しかったから後悔はない。
とはいえ、ここからは切り替えていくぞ。
「じゃあ、半月ほど乗り回して性能の確認してくるってことで良いな?」
「うんうん。それでOKだよ。そのあとまた調整とかするね」
「分かった。じゃあ、またな」
「うん。またね」
別れの挨拶を済ませた俺は船に乗り込み、工房を出る。それから、適当に宙賊を狩りつついくつかの国を回っていった。
試しておくものはいろいろとあり、
『な、なんだぁ!?突然船がぁ!?』
『な、なんだ!?味方なのか!?』
『急に現れたぞ!?どこの船だ!?』
急に現れた。その言葉が出るような装備もある。
それが、透明化装置だ。名前そのままの効果もあるが、実際にはステルス機能全般が行われる装置だな。性能に期待はして良いが、ティアにネーミングセンスを求めてはいかん。
で、透明化して近づき、宙賊に襲われそうになっている民間船を助けたりもした。非常に感謝されてお礼とかいろいろ言われたのだが、途中で俺が死神だと気づいて物資だけ渡して離れていったな。ここで見たことは黙っておくとも言われた。
死神は各国で指名手配されてるし、表に出ることはないとわかっていたのだろう。物資も大したものはないが、ありがたくいただいておく。
「というかこれ、全部食品会社の新商品だよな。こんなデカいコンテナの中に入ってるのに1つ1つ違うものだし。………何だ?お礼とかいう名目で新商品の宣伝がしたかったのか?」
助けた民間船も、なかなか面白い奴が乗っていたようだった。
俺は楽しい気分になりつつ狩りを続けていく。たまには良い出会いがあったものだ。
俺は休憩時間にその新商品だと思われるものを開け、
「おぉ~う。独特の味………」
メロンソーダに少量のコーラを加え、そこにチョコクッキーを浸して食べたみたいな味がした。よくわからないかもしれないが、俺もこの味を表現することは難しい。
これを商品として売ろうとする会社があるんだから、宇宙って広いよな。
「さて、また計測を頑張るとするか」
色々と感情を揺さぶられた俺は、また心を落ち着かせてから宙賊狩りを再開する。
敵のレーザーを反射したり、ジグザグに折れ曲がるレーザーを放ったり、船がゲッタン☆したりといろいろな機能を使っていく。
ちなみに最後のゲッタン☆する機能に関しては俺もなぜつけられたのか理解できていない。高速で回転するため激しくGが襲ってきて死ぬかと思った。あと、目も回った。
「あいつもう1回いじめるか」
俺はティアへの復讐を心の中で決めつつ、目の前の宙賊の船を沈める。
そして、戦利品の確認をしつつ一息ついた時だった。
「ん?この宙賊、随分とでかい組織だな」
気になる資料が出てきた。
なんと、いくつもアジトを持っていて、かなり手広くやっているようなのだ。本当の情報なのであれば、相当すごい。
俺1人じゃ潰せないかもしれないと思うほどだ。
「とりあえず小さい拠点でもつぶしに行ってみるか」
俺はこの機会に骨のある相手で装備を試すのもいいかもしれないと考え、アジトの1つへと向かった。
情報が本当なのかも気になるしな。大きい組織なら調べておいた方がいいだろう。
ということで数日かけて目的地へと到着。
描かれていた周辺を探ってみたところ、
「おぉ。本当に居やがった」
宙賊のアジトを見つけた。そして、その周辺を念入りに警備しているその船たちも。
幸いなことにこちらには透明化装置があるから、バレずにステルスできる。大まかな敵の戦力も把握できた。見た感じ、かなりでかい組織だな。
「ということは、あの描かれてた拠点もあるのか。本当に、いつの間にできたんだ?」
情報収集能力不足を感じてしまうな。もうちょっと手広く色々とできたらいいんだが。
俺はこれからの計画に見直しをしつつ、
「さて、じゃあ、潰すか」
大きすぎて普段なら絶対にかかわらないレベルの拠点だが、今の俺にはティアから支給された装備がある。
幸いなことに拠点破壊用の装備までご丁寧に用意されていることだし、使ってしまおう。宙賊たちを汚ねぇ花火に変えてやるぜ。
「消えちまえ」
俺は装備を使う。
かなり強い反動がかかるが、その反動に見合うだけの威力をたたき出す。宙賊のアジトは、一瞬にして大きな被害を受けた。




