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3.ロックかけられましたけど何か?

「よぉし!終わりぃ!!」


作業開始から6時間ほどたっただろうか。俺が飯を食べていたところでティアは叫び両手を突き上げ、後ろにコテンッと倒れた。

6時間もぶっ通しで作業していたし、疲れるのも当たり前だろう。ただ、顔には達成感あふれる表情が浮かんでいる。あいつがそれでいいなら俺からいうことはない。


「お疲れ」


「ひゃうっ!?ちゅめたぁ!?」


倒れているティアの額に、冷たい液体を入れた容器を当てる。この容器はこの時代には珍しいことに容器も冷えるという特殊なもので、ほとんど出回っていないものだ。

だが、こうして驚かせるにはやはりこういう熱伝導性のある容器じゃないとな。よくある容器の温度が変わないタイプだと風情がない。


「とりあえず水分と食料をとっておけ。どうせもう、排せつは()()だろ?」


「そうだね、あれだね」


あれ、である。

当然某球技で某虎のチームが優勝することではない。


この場合、排せつはすでに限界だろうという意味だ。ティアの場合ぶっ通しで作業を行なうため、限界を超えてしまうことには抵抗がない。というか、限界を超えてしまうのを想定に入れたうえで行動している。

俺だと絶対に感触が嫌で集中できない………とは思うが、軍でもそういう訓練はあるからな。今となっては俺もこいつと同類だ。

悲しい。


「ん?今、すごい失礼なことを考えられた気がするよ?」


「気のせいじゃないか?別に俺は垂れ流しクソダサ女とか考えてないぞ」


「いや、バリバリに考えてるじゃん!レディーに対してクソダサとか垂れ流しとか、色々とひどすぎるんじゃないかな!?」


「いや、本当に思ってない思ってない。俺、ウソツカナイ」


「いや、言い方がとてつもなく怪しいから!あと、何回かゴトーがうそついてるの見たことあるから!!」


「むぅ~」と唸って頬を膨らませ、ティアは不満そうな様子を見せてくる。だから俺は、そのパンパンに膨らんだほほをつつく。


「ぶふぅ!?なにすんのさ!」


「ん?膨らんでいるものを見ると押したくなるのが人の(さが)というものだろう?」


「そんなわけないでしょ!」


ティアはバンバンと自分の膝を叩いて不満を言う。

ちなみに、ほほをつついたときに俺の顔には唾が大量に吹きかかっているぞ。ただ、お互い気にすることはないな。不満そうにしているティアが、「ざまぁ」と言ってくることすらない。

俺が風の魔法で唾程度すべてを取り除けるのを知っているからな。


「………まあいいや。ゴトー。データ取りたいから乗って」


「あぁ。わかった」


ティアは自分が馬鹿にされたことをまあいいで済ませた。それから自分の作ったものを試すように俺へ言ってくる。

当然俺は了承し、動かす以前の最初の点検を始めた。


「ん~。やけに起動後のエネルギー消費が小さいな」


『ドワーフから、効率の良い回路っていうのを教えてもらったんだよ』


「ほぅ?そうなのか。じゃあ、重力値のブレが小さいのも同じ理由か?」


『ん?………………うぅ~ん。ごめん。それはちょっとよくわかんない」


「おい待て。不安になってきたぞ」


『大丈夫大丈夫。なんくるないさぁ~』


「やめろ、どこからかは分からないが怒られるぞ」


めちゃくちゃその地方の人間を敵に回しそうなレベルの能天気発言をしてきやがった。この宇宙でそこまで怒るやつはいないよう気がしなくもなくもないのだが。なぜだか怒られる気がするんだよな。なぜだろうか?

と、それはいいとして、不安なのは間違いない。


「今すぐ降りたいんだが?」


『あぁ。了解。じゃあ、操縦席以外いけないようにロックかけとくね?』


「は?」


俺が声を出すのとほぼ同時に、扉の方からガチャリという音がした。俺は何となく察しながらも扉まで歩いていき、取っ手を回す。

もちろんそこで分かることは、


「おいっ!なにロックかけてやがる!出られなくなってるだろ!!」


『出られなくなってるじゃなくて、僕が出られなくしたんだよ。………じゃあ、テストよろしくねぇ~。全部終わったら解除するからぁ~』


「………………この、クソダサ垂れ流しあたおか女あああああぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!!!」


俺は絶叫する。

だが、体はなぜか操縦席へと座ってしまう。そしてそのまま全体をテストしだし、宇宙へとその船体を躍らせた。

かなりやけくそな感じで飛び出したのだが、不思議なことにかかるGをあまり感じない。


『ふぅ~。お口の悪いゴトーにはG緩衝機能を切っておけばよかったよ。僕としたことがミスったね。天才美少女ティアシィちゃんにもシステムの誤り、かな?』


「自分で美少女とか言ってんじゃねぇよこのクソダサァァァァァ!!!!!!!!!!!あと、システムの誤りは大問題だボケナスゥゥゥゥゥ!!!!」


俺は叫ぶ。大絶叫で罵詈雑言の嵐だ。

その後、船から降りるまでにかなりの時間がかかったことは言うまでもないだろう。………………まあ、お返しにいろいろとやったりしたが、それはR指定が入りそうだからカットだ。

一応時事ネタなので「あれ」の説明を。

今年、阪神で優勝のことをあれと言って話題になりました。作中に出ているのはそういうことから来ています。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] こいつら馬ぴょいしたんだ。 [一言] 33-4。
[一言] えーと、作者、あなたは某虎ファンなのですか?
[気になる点] この2人ってやっぱりそういう関係なんですか?
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