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69.裁判ですけど何か?

裁判パートで「意義あり!」とか「待った!」とか書きたかったですが、長くなりすぎるのでカットしました(泣

さて。少し時間が経過して。

俺たちはドワーフを引き渡して休暇に入ったりしたのだが、そこは少しカットだ。代り映えのない日々だったから、面白みに欠けたんだ。

もちろん面白みには欠けても、俺の懐は厚くなったり公爵家や王家からの奴隷は増えたりしたんだけどな。


で、そんな日々が過ぎた後に起こることがある。

それは昇進………もなのだが、その前に少し予定が入った。

現在は、


「………………ということが確認された!これは大変遺憾なことであり、周辺国だけでなく人類全体にとって不利益となる行為である!この責任を追及させてもらおう!!」


「ふんっ!でたらめを言ってもらっては困る!我が国はそのようなことに関与していない!証拠はあるというのか!」


「証拠?それならこの資料や、実際に捕まっていた奴隷たちもいるんだぞ!」


「だからどうした!奴隷は首輪が付いた状態なのだろう?資料のほうは捏造で、奴隷だってそちらが命令して言わせているだけだろう!」


「ならば、奴隷の権限をそちらが一度獲得してもらっても構わない。そこで真実を語らせればいいだろう!」


「そんなのいくらでも細工できる!信用できない!」


激しい争いが行われている。周囲には熱くなっている2人を囲むように難しい顔をした者たちも座っていた。

言い合うものたちは、一方が責任を追及して一方がその責任が自分たちにないということ主張している。


こういったことからもわかるように、ここで行われているのは裁判だ。現在追及しているのがこちらの国の人間で、追及されているのが違法にドワーフを奴隷にしていた敵国の人間だ。

今は違法な奴隷の存在に対して真偽を確かめている最中で、敵国の方はいるはずがないと否定している。認めた段階で社会的に不利な状況に陥るから、当たり前の主張ではあるよな。


向こうもかなり考えてきているみたいで、理論武装がしっかりしている。

的確にこちらの追及の穴をついてきているぞ。


「奴隷の首輪を外して発言させればいいだろう!なぜそれをしないんだ!」


「奴隷の首輪は人間に外すのは不可能だというのが常識であろう!しかも我が国ではなくそちらの国のものだぞ?そう簡単に外せるわけがない」


「ふんっ。本当に我が国の首輪か怪しいところだな!言いがかりのために似た形状のものを作っただけだろう」


「そんなことをするわけがないだろう!奴隷の首輪の変形など、そう容易なことではないのだぞ!」


現在論点となっているのが、奴隷となっているドワーフたちの話の信用性だ。

奴隷の首輪をしていることから、敵国はこちら側が言わせているだけだと主張している。こちら側は現在主人がいない状態であると主張しているのだが、それは信用できないといわれているわけだ。


そこで向こう側からは奴隷の首輪を外せと言われているわけだが、当然そんなことはできない。俺たちの国の技術だと、奴隷の首輪を作ってはめることはできても外すことができないんだよな。

不思議に感じるかもしれないが、奴隷の首輪を生産する機械はかなりブラックボックスな所があるのだ。機械自体は存在しているのだが理論などは分からず、その機械を増産することなどもできない。

そんな状況なのである。

そして、数も少ないためその機械を下手に解体などもできずにいるというのが現状だ。


「もし首輪を外してもまだこちらによって奴隷にされたというのであれば、こちらが悪かったと認めよう。ドワーフ側には相応の賠償を行うし、貴国に対しても謝罪と補填を行うつもりだ。貴国に領域を半分以上割譲して渡したってかまわない。だが、外せないというのなら論外だ。話にならない」


「ふむ。そこまで言うか」


「ああ。ドワーフをさらうなどあってはならないことだからな。ついでに貴国の属国となっても構わないとも」


向こうは相当自信があるようで、かなり危ない発言をしている。領域の割譲やら属国やら、こんな各国のトップが集まる中で言うセリフではないだろうさ。


だが、同時に向こうの気持ちも理解できる。

ドワーフを奴隷にするというのは、かなり真っ黒なことで、もしバレればつぶれる。味方なんてほとんどいなくなってしまうのだ。

そのためには、少しでも自信があるように、勢いがあるように見せるしかない。たとえそれが危ない道だと分かていても、他国との関係性を考えればこうするしかないのだ。


………まあただ1つ言うことがあるとすれば。

そんなのすべてお見通しで、予想通りだってことだ。


「そこまで貴国が言うならこちらも見せよう」


「む?何をだ?」


「君たちが敵に回したドワーフという存在の恐ろしさを、だ。………確かに我が国では奴隷の首輪の解除など行えない。だが、ドワーフなら、どうだと思う?」


こちらの代表がにやりと笑う。

直後、事情を話すために来ていたドワーフたちの首輪が、一斉に全て取れた。

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