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「うわぁぁぁ!!」
パリンと何か割れた音がして上空から墜落する人影。
甲高い声の持ち主は箒にたまがって地面に真っ逆さま。
ここは大きなシャポン玉の中みたいな世界だ。
そのシャポン玉の膜はしかし、ガラスのような強度であったがそれを突破ったのが今墜落中の少女。
ローラリィ。
「痛ってて」
地面にぶつかる前に少しだけ箒での飛行魔法が持ち治り最悪の結末だけは避けることが出来た。
大きな鍔ありの三角帽子、頭の殆どが覆われてしまっている。
ローラリィは立ち上がって袖やお尻部分の砂を叩いて帽子を後ろにズラす。
そうして見えてくるのはくせっ毛で長い金髪。しかし、艶やかで1本1本が絹の様な柔らかさだ。
小柄な体型はそれだけで幼く見えるが、その双眸の大きさと、顔全体のあどけなさからもっと幼く見えた。
眠たそうな半眼で、落ちてきた方向を見る。
「あ、塞がった……」
ガーンと、音が聞こえそうなほど脱力して、膝から崩れ落ちたのだった。




