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06 スターブロッサム

ここで私はふと思った。高級サロンにテンションが爆上がりで気づけなかったが…。これは拙い…スターブロッサムなんて絶対攻略対象いるじゃん!逆にいない方がおかしい。まぁ、上流階級の付き合いもある程度は必要だし。折角兄が迎えにまできてくれてるし、正直好奇心のが上だ。


広い回廊を抜け歩いていると豪奢な造りの両開き扉の前にやって来た。扉横のセキュリティーで指紋認証をすませると鍵が開く。「乃蒼達の指紋も登録されているから1人でも来れるよ。」面接の時に指紋を採取された事を思いだした。この為だったのか!ゲームでは細いディテールまでは描かれていない。やはりここは現実だと思い知らされる。扉の中は煌びやかな世界だった。え?ここ学校だよな?と思ってしまうほど贅沢な空間だ。あちらこちらに重厚なソファーとテーブルが配置され、中央にはピアノが鎮座している。

「お茶や、お菓子、軽食なども食べれるよ。食堂が煩わしい時はここで食べたらいいよ。」食堂が煩わし空間にならない事を祈るしかないな。「サロンは朝8時から夕方5時までだよ。専門の給仕さんもいるから、彼等に頼むといい。壁の本棚は学園長の蔵書だ。持ち出しは禁止だけどここでなら好きなだけ読むといい。」言われて気付いたが入口横の壁は一面本棚になっていておびただしい数の本が埋まっている。


兄に促されソファーに座る。雅ちゃんは1人で私は兄と並んで座る。給仕さんにミルクティーを3つと本日のお勧めケーキナポレオンパイを2つ注文した。銀座名店のナポレオンパイに頬が緩む。ナポレオンパイとミルフィーユは同じケーキだ。国によって呼び名が違うらし。日本でもミルフィーユが一般的だ。「千枚の葉」と言う意味らしい。前世では食べにくいだけのケーキだと思っていたが、食べ方が間違っていただけだ。やってきたケーキを倒し、ナイフで断層を縦に切断すると綺麗に切れる。「お兄様どうぞ?」甘い物を沢山食べれない兄に、最初の1口をあげるのは私の仕事だ。兄は嬉しそうに「アーン」をする。「本当に仲良しさんですね。」雅ちゃんがニコニコしながらナポレオンパイを口にした。私も慌てて一口。パリパリを損なわないパイに甘いカスタードクリーム。文句なく美味い!はぁ…幸せ。


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