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新たな目覚め

何かを注げばいいのはわかったが、何を注げばいいのだろう?煩悩ならば注がずに帰りたいところだ。

『…ねぇ、【ココ二ケッシテマジワラナイチカラソソゲ】、じゃないかなー?』

『なるほど、でも何だろう?その2つの力って』

『おそらくこのダンジョンの中にあったモノがヒントとかになっているはずだ。そう考えると…』

『俺たちが洞窟の中で見たモノは、闇と松明と湖。注げるものは…なんだ??』

『闇は注ぐことはできないわ。なら、松明と湖?』

『…! 炎と水だよ!!炎は水で消えちゃう。なら普通なら2つのうち1つしか残らない。つまり交わらない!!』

『優月葉!今日、お前頭キレッキレだな!!』

『ふっ、当然だ。こいつは我が妹なのだからな』

『解いたのはあんたじゃないわ。』

『し、しかしだなぁ!ヒントに気が付いたのは俺ではないか…』

『そうね、そこだけはほめてあげるわ』

俺たちはフレアとアクアの力を使って石板に力を注いだ。すると、石板は金色の眩しい光を放った。あまりの眩しさに目を瞑った俺たちの視界が再び開けるとそこにはさっきまでなかったはずの大きな空間ができていた。その空間の真ん中には白い羽衣を着た美しい一人の天使(メイド)が立っていた。可愛い。「アクアにメイド服を着させる!」という俺の煩悩も忘れてしまうくらいの可愛さだ。

『よく、ここまでたどり着かれましたご主人様。このダンジョンをクリアされた方のうち2人に能力の器を授けます。さて、どなたとどなたに致しますか?』

『私たちはいらないわ。私たちはあくまで火の神様と水の神様。だから、そんなものはいらないわ。』

『じゃあ、俺とこの子でお願いします。』

『わかりました。では』

そういうと、彼女は俺たちのそれぞれの利き手を順番に握って同じ呪文か何かを唱えた。

すると、俺にも優月葉にも前に見た、あのマークが浮かびあがり赤く光った。

俺にも、力がみなぎってきた気がした。

ところで、俺には神の素質なんて1ミリもないのに何にこの器を使えばいいんだろう?

『あの天使(メイド)さん。俺は能力の器を何に使えばいいんだ?』

『そーですね。神の素質がなければ、火や水といった力を体得することはできません。しかし、魔眼などといった直接相手に介入しない個人技のようなものならば、普通の人間でも習得することは可能です。』

『なるほど。で、その力はどうすれば手に入れらるんだ?』

『大天使様に、この器との引き換えとして能力を授けてもらえば良いのです』

『え!お隣さんそんなすごい力を持ってんのか!!』

(大天使様も”大 ”っていう言葉が付くだけのことはあるってことだな)


その後俺たちは、洞窟にいた天使メイドに入口までテレポートで送ってもらい、そこで再びダンジョンの管理人こと母さんと合流した。

母さんにテレポートで自宅まで送ってくれとダメもとで言ってみたら、快くそれを引き受けてくれた。

帰りの交通費が浮いたことに俺は喜びを感じながら家にたった5秒で帰ったのだった。

家に着くと優月葉はアクアに真っ先に能力を教えるよう、せがんでいた。アクアはダンジョン攻略で疲れているように俺には見えたが、誰よりも若く、そして誰よりも元気な我が妹にはそんな概念は存在しないようだ。フレアは一度家に帰って風呂に入ってくるそうだ。俺も早く風呂に浸かって一息つきたいところだが、こちらはそうはいかないらしい。妹の能力がまた一つ増えるまでは…


『アクアさん!教えてよ~!おーしーえーてーよー!!』

『わ、わかったわよ。教えてあげるから…ちょっと離れて』

『やったーーーー!!』

アクアの放った「離れて」という言葉は、喜びに満ちあふれた優月葉には聞こえてなかったようだ。

その後、いつもの儀式を終えて優月葉に新しい能力が授かったのだった。

『右手から水~♪ 左手から炎~♪』

いよいよ妹が本物の問題児になりそうだ。そういえば、こいつ…受験勉強もしてるんだよなー!?


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