輝く光 紅蓮のチカラ
『っていうことが昨日あったんだよ。俺正直なんの根拠もないから信じられないんだよな。京香はどう思う?そんな話があると思うか?』
俺は次の日、同級生で幼馴染の古川京香に昨日あった出来事を全て話してそんな話があるのかどうか聞いてみた。彼女の趣味はアニメを見たり、ラノベを読むことだ。だからこそ、こんなよくわからない話でも聞いてくれるんじゃないかと思ったんだ。
『そうね...まるでマンガかアニメの世界の話みたいね。でも雄也は昨日確かにそのよくわからない石を握った時に光ったのも、優月葉ちゃんの手の甲が赤く光ったのも見たんでしょ?発光石でもなさそうだし…そもそも手の甲が光るなんて普通ありえないことじゃん。だから、雄也が話してくれた優月葉ちゃんのことは幻でもなんでもなく現実なんじゃないの?』
『どうだろな。やっぱり俺は信じられないな~』
俺はこのあと京香と別れて問題の妹が住む我が根城もとい俺の家へと帰還した。
家に帰った俺を出迎えたのは俺とほとんど年齢が変わらなさそうな赤毛の男と我が妹だった。
『…?…!』
『どうしたの、お兄ちゃん?』
『どうしたのじゃないわ!おおおおおお男!?男だよな?』
『あー、この人?』
『そうだよ!』
『この人は火の神様なの。お兄ちゃんより一つ年上の18歳よ。』
『おう、俺は火の神フレアだ!よろしくな』
俺はあまりの情報量の多さに頭が混乱しつつも、冷静さを取り戻した。
『えーと、フレアさん?誰の紹介で?何の目的で?!妹とはどういう関係で?!!』
『フレアでいいぜ。最高神さんからL〇NEで「神崎さんの娘さん!すごい才能をもってるわよ!!」って興奮気味なメッセージがきてよぉ。どんなもんなんか見に来たんだよ』
『まぁ、言ってることは最初からおかしいんだけど…何をしに来たのかはわかった。』
(あのおばあさんLI〇E使ってるのかよ。見かけによらず中身は俺らと変わんねぇのか)
『雄也、お前今「最高神中身わけーな」とか思っただろ。あの人こう見えても750歳なんだぞ。人間の年齢で言うと75歳ってところだな』
その後も俺と妹とフレアの三人はお菓子を食べながらおばあさんの話で盛り上がった。
『そういえば優月葉の能力って真似することなんだよな?』
『そうだよ?』
『ならよ!俺の力をコピーしてみろよ!ちゃんとコピーができたらお前、手から炎を出せるようになるぜ?この力があれば冬の山もなんも怖くない!まぁ…あいつと最高神には敵わないがな』
『あいつって??』
『まぁ…いつか出会うから気にすんな!さぁさぁ!利き手を俺に差し出せ優月葉!!』
妹はフレアに言われた通り右手をさしだし、その手をフレアがギュッと握った。すると昨日見たあのマークが優月葉の手の甲に浮かび上がり赤く輝いた。俺はその時信じたくなくても信じるしかない動かない証拠を見てしまったのだった。
『どうだい?何か変わったか?』
『うーん…正直わかんない』
『炎よ!でろ!!って心で唱えてみろ』
その数秒後、なんと妹の手からメラメラと炎が出たのだ。
『お!でたじゃねーか!すげーなお前!!』
『おいおい、そんなことあるのかよ』
俺は炎が妹の手からメラメラと燃え盛っているのを見て、動揺しつつも「どうやらこれは現実なんだ」って確信せざるをえなくなったのだった。フレアを見ると満足そうな表情でスマホで誰かにメッセージを送っていた。きっと相手はあのおばあさんだったんだろう。
『すごいわね、あんた。最高神が喜びながら私にあなたのことを伝えて来ただけのことはあるわね』
『お…お前は!』
『フレア、あの女の人って誰?』