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大邦都地下鉄物語  作者: 切咲絢徒
第一楽章 台柱線
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第十九話 別行動

 翌日、菩巌院から連絡が入った。案の定、棒反で集合だ。

 僕は銃を箱から出してナップサックに入れて棒反に向かった。

「あ、坂堂。」

 道のりで坂堂と会った。

「アレ持ってきた?」と、坂堂。

 アレ、とは銃のことだろうか。

「ああ、持ってきた。」

 僕はナップサックの中身を見せた。

「俺もなんだよ。」

 坂堂は普通に見せびらかした。

「あ、おいっ、バカ、そんなもん見せびらかすな。」

「いや、これエアガンに見えるらしいよ。」

 え?

「だから、あんまり露骨に見せてると警官の厄介になるけど、そこまでして隠す必要はないかな。」

 そこまでって、エアガンにしても鞄にはいれるだろう。

「あ、菩巌院さん。今日も服がカジュアルだ。」

 確かに。

「やあ、二人とも、今回は珍しくビリだね。」

「え?」

 菩巌院の隣には羅々がいた。今回は水色のワンピースだ。何度も言うが他に服は(以下略)

 やっほー長目君。と羅々が僕に手を振った。

「さて、羅々ちゃんが早いのは置いといて、今回は割りと重要な話がある。」

 僕らは真剣な目をした菩巌院を見た。

「奴らの組織、イポジェーオクレアートのことだが、人が多いから喫茶店にいこう。」

 僕らはえ、と反応した。


 アポロに着いた僕らはいつもの窓側の席に着いた。客は少なくはないが、特に危険な者はいない。

「奴らは大邦都地下鉄の主要な駅を中心として活動している。」

 確かに、下絵、平坂園、乗り換えや観光でよく使われる駅だ。

「ということで、大邦都地下鉄の乗り換えができる駅周辺の能力持ちを捜索した。」

 坂堂の、だから忙しかったんですね。という言葉に菩巌院は頷いた。

「ここで、一々全ての駅を四人で行動していたら非効率だ。だから二人組を作る。案の定、草平君と僕。羅々ちゃんと長目君で。」

 異論はない。というか、隣に目をキラッキラ光らせた女子がいるのだが。

「では、駅を指示する。そんなに発見できていないけれど、僕らは『車丘』長目君たちは『曲田(くまだ)』ということで、レッツゴー。」

 そんなわけで、僕らは二人組に別れてそれぞれの方向へ向かった。


 * * *


 僕と羅々は曲田に向け地下鉄に乗った。

 相変わらず羅々は僕の肩を枕にした。僕はしりとりをする相手がいないので、携帯を弄ぶことにした。

 ゲームをやるのも受験生としてアレなので、暗算特訓サイトみたいなのを見ながら2×2の問題をひたすらやっている。

 うわ、74×83だ。なんだよこれ、こんなのできるわけないだろうが。3×4=12で、3×70=210だから、えーっと12と210で、うーん、222か。さて、次。うわ、95×72か、めんどいなあ。

 飽きたら漢字クイズをやって、また飽きたら社会クイズをやって、としていたら曲田に着いた。

 一駅前で羅々を起こし、曲田で降りる。

 菩巌院に言われた建物に向かう。向かうのは曲田博物館だ。

 曲田博物館は全国でも珍しく、というか、完全にウケ狙いな気がするが、()の博物館だ。そんなところに敵は居るらしい。

 僕らは巨大なペットボトルの蓋の形をした建物(きっと初見でペットボトルの蓋と当てれる人間はいないと思う。)に着いた。

「待ってろよ。」

 僕は未だ見ぬ敵に宣戦布告した。

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