表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/37

第一章_03

 靴を履き替え、いつもの活動場所に向かう。


「今日何するかとかって聞いてます?」


「いーや、知らんな」


 すれ違うたびに手を振ってくる女子たちに対して、いちいち手を振りながら先輩が答える。そういう状況に、俺が注目されてるわけでもないのに、居心地の悪さを感じる。


「お前も手、振ってみたら?」


 ほんと惚れ惚れするような爽やかな笑顔(もとい、悪い顔。なお、以下、爽笑)。


「遠慮しときます」


 俺はイライラを紛らすようにスマホのアプリを立ち上げる。


「おいおい、歩きスマホはだめだぞ」


「何で急に真面目なんすか」


「俺はいつだって真面目だ」


 爽笑。


「悪い顔してるのに」


「そう言うのはお前だけだ」


「じゃあこの俺が感じてる気まずい雰囲気をどうにかしてください」


「それは無理だ」


 爽笑。


「……確信犯」


 俺はなおもゲームをしようと視線をスマホに戻すも、ふと周りの視線に気づく。その視線は、「歩きながらスマホいじってんじゃないわよ、駿平様も仰ってるだろ」と、言っている。俺の曲解だが。


 スマホをしまって、代わりに文庫本を出したのは言うまでもない。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ