間奏5
『ピッピーッピーッピピッ』
真っ暗闇のなか聞こえる無機質な機械音。
<<アンタが今回のアタシの主かい>>
それと、京都っぽいしゃべり方の女の声。
«あなた誰!?»
暗闇にこだまする私の声。
<<アタシ?アタシは........>>
すこし声が真剣になった、
<<アタシは哀れみのレコード>>
でもそれは一瞬ですぐに嘲笑うかのような声になった。
<<アンタ、そろそろ自分を見てみたらどうだい?>>
自分?なんのことだろう。
<<あぁ、お前さんには見えてないのかえ?>>
ということは現実の私をこの女は見えてるのだろうか。
<<すぐに見せてやるさ。ほら_______>>
『ピーーーーーーーーーーー.............』
いきなり光が差し込んだかと思うと、
無機質な音はたった今途切れて白い病室のベッドで寝ている私の姿が移った。
その周りにはなぜか涙で顔を濡らしいてる親戚がいる。
腕には赤色の液体の点滴の針が刺さっていて
水色の病院服に身を包んだ私はまぶたを開けることなく、
ただすやすやと眠っている。
でも、
«この目の前の私、息してるの.......?»
前の私は唇が青かった。
<<は? 息はもうしてないさ。>>
そういい放ち鼻で笑った。
«______返して.......お母さんとお父さんにあわせて!»
現実の私を取り囲む親戚のなかには、親とおじいちゃんはいなかった。
<<ん? あぁ、あの猫かぶり夫婦とロリコンじじぃのことか。>>
猫かぶ.......り.......?
<<アンタなにも知らないんだね、お姉さんが教えてア、ゲ、ル>>
ロリ.....コン.......??
<<あんたの親は来週孤児院に引き取られるように手続きをしてたりさ。>>
やめて、嫌だ嫌だ嫌だ。
それ以上言わないで______
<<あのじじぃはアンタが18になったら変態男達に売るつもりだったっぽいんだよ~>>
やめてやめて聞きたくないの。
言わないでよ、言わないでよ!!
<<で、いまそのアンタが【愛していた】家族は死んだよ。>>
«______..............はい?»
心の大部分のなにかが一秒で崩れ落ちる音がした。
あのときの母と父の不思議な行動は楽しい事なんかじゃなかった。
私はいらない子だったのか.......。
その言葉が頭を埋めた。