終曲
灰色のレコード。
その正体を私は知っていたはずなのに__________。
それはそれは。残酷な殺戮ショーの始まりだった。
「おいババアっ。逃げんなよ......」
すでに血に染まってる古い木の床。
「やめろ、来るな、おまえ、ホントにコユキか!?」
コユキは人が変わったかのように、台所から包丁を持ち出した。
そして油断していた私の右手を切り落とした。
そして今この有り様。
「一体、何がどうなって........ガハッ」
コユキの鋭くとがった包丁が私の心臓を一突きした。
刺された左の胸からは血が怖いほど出ている。
「コ"........ユ................ギ?」
その場で倒れ血を床に広める。
「あんた、私を、私を人に売ろうとしてたんでしょ!!!!」
「..........はぇ"?」
なんだなんだなんの話だ一体なんなんだこれは.......。
わからない。
わからないがひとつだけ確定したことがある。
「とぼけも、無駄だわっ!!!!!」
そしてコユキは私の心臓をもう一刺しした。
わからないがひとつだけ確定したことがある。
__________私はもう、助からない。
今まで必死に動き続けてきた私の心臓は止まった。




