表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
黄昏レコード 上  作者: 片方通行
第四章 森
24/29

序曲


師走の始め。

この世界をまた白銀の世界にした雪達はまだ降り続けている。


まがまがしい大きな鍋のなかには、

緑色のスープといえば嘘になる、緑の液体が半分入っていた。

近くの棚と少しの遠くの棚から材料を持ってくる。

持ってくるといっても一瞬なのだが.......。



「おい、コユキ。手伝え。」



中に水と材料があり、少し藻がはったビンの蓋をあける。



「わかりましたお母様。」



その中の水に浸かっていたまだ生きてる半熟ガエルを鍋に放り込む。



「.....その呼び方、やめてくれといってるだろう。」



近くに来た少女をあきれた顔で見る。


いつも私が毎朝している左右にぶら下がった茶髪のミツアミ。

細く白い、あまり肉がついていない顔には、

大きく見開かれた清んだ青い瞳とスッとした鼻、

プルんと効果音が付きそうなほどの赤い唇。


『さすがあの子の子供だな。』


と時々思った。



「いいんです。お母様がいなければ私はもういませんから。」



コユキの母親は私の家の近くにこの子を手放した。

それから一年はコユキは一人で必死に生きた。

そこでとうとう栄養不足で倒れていたところを私が助けた。



「......コユキ、書斎の魔道書の12番を持ってきてくれ。」



「はい。」



その頃から4年。

もう彼女は明日、14になる。

拾った時に元々魔力があることがわかった為、

4年の間魔法を少しでも覚えさせた。



「タンカーレラ」



隣で呪文を唱えたコユキの手にはもう頼んだ通りの魔道書があった。



「はい、お母様。」



「ありがとな。」



この子の母親の名を聞いたことがある。

だかその名前は知っている人の名前だったのだ。



『パチェシル』



私の大切な__________








元、親友。











評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ