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森のフルート
『ワカラナイ。』
『ナゼ、私ハウマレタノ?』
『ナゼ、目ト髪ガ緑ナノ?』
『ナゼ........パパガイナイノ?』
「貴女は人造人間、私がママよ。」
私が覚醒したとたん白い布をまとった女の人が話しかけたあのとき。
『人造人間.......?』
「そうよ。パパは残念なことにいないの。」
パパはいない。
「貴女の名前はキク。私の名前はサシャ。」
『キク........? サシャ.......?』
キク。
それが私の名前。
サシャ。
それが.......お母さん(ママ)の名前。
「貴女は王室のメイドとして働いてもらうわ。」
始めて聞く言葉。
メイド、王室.........。
「女帝付きの監視官として生きなさい。」
命令を下された瞬間。
私の体は制御を聞かなくなった。
『ワカリマシタ、御主人様。』
私は従うだけの人造人間。
母は王立研究所最高責任者、サシャ・ドゥージアラ。
そのサシャの娘は..........。
ジルド・ドゥージアラ。
森に住む、白魔法使い。
そして............『コユキ』という娘の里親。
さあこれは誰目線!←




