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前奏
「あれ.......なんだろう。」
家の近くの浜辺に落ちていた少しかけている青いラベルのレコード。
一瞬不思議だと思ったが、
レコードのどこにも、曲名は書いていない。
なぜか興味を惹き付けた。
「......そういえば。」
確か倉庫におんぼろの蓄音機があったはずだ。
砂浜に落ちていた題名のないレコード......。
不思議と興味をそそるものがあった。
少し汚かったので、目の前の輝く海で少し洗おうとした。
すると近くに赤色のレコードがあった。
青色のと同じで題名はない。
「赤い方を明後日の従兄弟の誕生プレゼントにしようっ」
明後日は大好きな従兄弟の誕生日がひかえていて、
お小遣いがなく、プレゼントをどうしようか迷っていたところでもあった。
「砂浜で拾うなんてロマンチックだね......なんて言われたり。」
独り言だけでも十分顔がニヤケてくる。
ルンルンと家まで帰った。
「ただいまっ。お母さん、従兄弟の誕生日プレゼント決めたよ!!」
「あらー。お帰りなさい、『アオイ』。」