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間奏曲
「陛下、およびですか?」
月の見える三メートル程のバルコニーには、もう陛下はいらっしゃった。
「あぁ......そなたか。」
そう言いながらも赤い顔をする陛下は、
このあとの悲劇も知らずに笑った。
「陛下?ご用件は。」
「あぁ......そうなんだが。」
少し戸惑う素振りを見せる陛下は実にかわいい。
そう、可愛いのだ。
「今夜、寝室に来い。」
罠へと追い込まれた鳥は捕まり餌食となるのです。
内臓の奥までほじくり返したいところだがそうはいかない。
「は、はい、わかりました。」
赤面をするフリをする。
それをみてニヤニヤする陛下は実に野蛮、気持ち悪い。
でも、私の目的とお金をもらわないと乳母に怒られるから。
ちゃんとこなしましょう。
パチェシルは乳母の言うことを聞くい良い子ですよ、
うん、良い子(悪い子)ですよ。




