言えない言葉
最初の言いたいこと
とある本を読んだ
HELP!
自分がずっといえない言葉
それがその本の名前
助けて欲しいのに
苦しいのに
逆らいたいのに
誰にも助けを求められない
やめてさえも言えなくて
無表情で
無感情
なにをすることも出来なくて
そんな自分を思い出した
今もそうだけど
ずっと前
10年近く前
3、4歳の頃
その頃から10歳までが一番つらい記憶
それを思い出した
自分がそこに居なかった
そこに居たのは従順な『物』
逆らわない『物』
人でさえない
生物でさえない
ただのストレス発散の道具
『私』はあの人たちにとってそういう『物』だった
小学校にはいれてもらえた
学校には行かせてくれた
最初のうちは楽しかった
あんな家に居なくてすむから
少しは笑えた気がした
でもそれは束の間で
『私』はすぐにクラスの皆からも『物』として扱われるようになった
皆がそれで少しでも楽になれるならいいかも知れない
そう思ったときもあった
2年生になる頃
先生たちはもうとっくに気づいてた
きど助けようなんて考えてくれてるわけがない
クラスの人だけに『物』として扱われていたのが学年にかわった
毎日殴られたり蹴られたり
慣れるくらいにされた
傷は受けるうちに深くなる
痛みなど忘れるほどに
苦しみなど忘れるほどに
半年くらい後に「キョウイクジッシュウセイ」の人が来た
その人は『私』を『物』とは見なかった
殴られたり
蹴られたり
首を絞められても
反抗も声を出すことも
表情さえ変えないことに驚いてたみたい
その人は『私』を人とみてくれてるんだってすぐわかった
その人は二週間くらい居た
三日目くらいから『私』に話しかけてきた
『私』は何を言われてるのか気にしたことなかった
『私』には居場所がないから関係ない
土曜日にその人は『私』の家に来た
『お父さん』が『私』を殴っていたところだったけど
その人はもう驚かなかった
それでこう言った
《この子を少し連れていきたいところがあります》
それからその人は『私』を抱いて走った
『私』は理解出来なかったけど
『ソウダンジョ』に連れていかれた
その人は『私』を抱きながら『私』のことをそこに居た人に話してた
『私』はずっとそこに居た人を虚ろにみてた
そこに居た人は『私』に何かをきこうとした
けど
声を出すことがわからかった
どうやって出すのかわからなかった
だから黙ってた
唯一理解出来た可哀相って言葉に反応した
今でも嫌いな言葉
それからの2年間僕は何も覚えてない
思い出すことは多分
一生ない
記憶にさえ残らない時間
だからそこまでの記憶は酷いものなんだろう
とある本の話しから随分長くなった気がする
HELP!って言えていたら今も変わっていたのかな
今から言ったら変われるのかな
僅かな期待が今ある




