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答えの返ってこない疑問

作者: 音乃 響

 もう、ずいぶんと前の話なのですが、その頃ネットで仲良くなった人たちとチャットをよくやっていた。週末なんか21時位にスタートして翌日明け方5時位までずっと喋っていたり。

 楽しいし、話題はあっちころびこっちころび、そして深まったり。体力もあったなぁとしみじみ思います。今じゃ21時には睡魔に襲われ、朝5時位には起床しているという生活なのに。


 チャット仲間には絵描きさんも文字書きさんも混ざっていて、お互いの作品の感想を言い合ったりリクエストしたり他愛もない推しキャラの尊さを自分の癖を語ったり、最初から最後まで同じメンバーではなく、それぞれの生活に合わせて入れる時に入って会話してさよならして。楽しい日々でした。


 そんな時、文字書きのお二人と私の三人だけという時間がありました。

 お二人ともとても読み応えのある作品を書かれる方で、私たちの中でもとても人気のある人でした。そして彼女たちは余りチャットに顔出しをせず、出ても長居をしない方達だったので、私はそんな二人とお喋りできていることがとても嬉しくて浮かれていました。


 お二人のことをAさんBさんとしますが、Aさんが「音野さんの作品は本当に散文ですよね」とおっしゃいました。すぐにBさんが「本当、散文の中の散文ですね」と。

 私はそうですかーと話をしながら、散文という言葉を考えました。


 私の書く作品は詩でも俳句でもありませんから、散文で当たり前なのでは?と思いつつ、小説における散文という形態に何か別の意味があっただろうか、不勉強で知らないわと考えていました。

 そこでどういった意味合いで言われた事なのだろうかと確認すればよかったのかもしれませんが、お二人が分かりあっている中分からないので詳細を教えてほしいと言い出せませんでした。


 チャットが終わり、落ち着いて辞書などで散文という文字を確認しました。


ここから引用

 散文さんぶんとは、小説や評論のように、5・7・5などの韻律や句法にとらわれずに書かれた文章のことである。狭義には、そのようにして書かれた文学。韻文の反意語。散文で書かれた詩のことは散文詩と言う。また、散文的という言葉は「味気なく、情趣が薄い」という意味で使われることもある。

ここまで引用 Wikipedia より


 あの二人が「散文的」という意味で「散文だよね」と言ったのか、別の意味で言ったのかよく分かりません。その時の会話の雰囲気として嫌味を言っているようにも感じませんでした。

 今度機会があればどういった意味合いだったのか、聞いてみたいなと思いつつチャンスは無く、わざわざメールをする程の事でもないしと月日は流れ、私はそのジャンルを去りました。


 たまに字を書く人に「散文だよね」と文字書きに声をかけるときどんな意味合いで言いますかと確認することがあります。

 散文だから散文と言う。小説なら散文で当たり前じゃないの? でも散文だとわざわざ他人に言わないかな。

 多くの反応はこのようなものでした。

 彼女たちの雰囲気が悪いものであったなら、私の文書が雑に感じて言われたのだなと納得します。

 でも打ちこまれた文書には嫌悪や悪意や侮蔑もなく、私の作品を楽しんでいるといった言葉も社交辞令はあったかもしれませんが全くの嘘とは感じられませんでした。

 だからより分かりません。


 言った側の彼女たちはもう覚えても居ないだろう言葉です。

 ジャンルも離れ、彼女たちのサイトも閉鎖され、今何をしているのか、二次創作をしているのか、いていないのかも分かりません。

 もやもやしているのですが、それによって彼女たちを嫌いになるとかマイナスの気持ちはありません。

 あの時二人の共通認識だった私の文書が散文であるという言葉の意味合いが何だったのか。

 今でもそれを知りたいと、答えが返ってこない事を理解しながらも切望しています。


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