表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/10

エピローグ

 それから、二年。島に少しずつ人影が戻って来た。

 蘭子は約束通り看護士として。島の診療所には馴染みのお爺さん医師しかおらず、しばらく文句を言っていた。

 小学校は少し手入れをされ、いつでも生徒を受け入れられる状態になっている。

 校門のソメイヨシノは、もうそろそろ咲く頃だろうか。校庭からは、見えないが。

 奇跡は二度と起こらない。そのことを、樅の木は知っている。

 「お春」という名の座敷童――元々は桜の木霊は、自分の生命力を樅の木に与えて消滅した。

 人間に力を分けてもらえなければ生きていられないと言っていた。だから、座敷童は人を呼び寄せたのだろうか。

 樅の木に、力を与えるために。

 何となく、それだけではないような気がした。

 小学校の同窓生たちが、校庭に一本の木を植えた。

 十二月と四月に花をつける、二期咲きの桜の樹を。

 それがでも、「お春」と名乗っていたあの少女の姿をしたものが戻って来るわけではない事は、誰だって知っている。

 それでも、そうせずに居られないのが、この島に生きた人々なのだろうと、樅の木は思った。

 これから先も、樅の木はここで人の有り様を見ていけるのだろう。

 そう。この地に冬が訪れ、また春が来るかぎり。


                                     〈了〉

クリスマスに向けて書いておりましたこの作品。

私の一年の総決算のつもりでおりました。

何とか年度内に終わって安堵しております。


この物語は、ある人たちへのギフトとして描きました。

解る人には解る。

そういうギフトなので、あえて誰に捧げたかは書かないでおくことにします。(って、活動報告とか見たらバレバレですが)

メインキャラ、サブキャラ、エキストラキャラ、全てに愛を込めました。

だから、みんないい人で。面白みが少ない物語かもしれません。でも、愛だけは籠もっております。(苦笑)


こんな物語を読んでいただき、本当にありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ