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夏のホラー2023『帰り道』

捕まらないストーカー

作者: 佐藤そら

「本当です! 後ろから確かにつけられてるんです! 早く捕まえてください!!」


「あそこの防犯カメラは全て確認しているのですが、怪しい人物は映ってないんですよ」


「防犯カメラの映像を操作されてるとか? そういう可能性は?」


「いやぁ……。あの辺一体のパトロールは強化しておりますので……」


 これではまるで、わたしが虚言癖のある女ではないか。

 警察は事件が起きてからしか動かないというが、まるでそうだ。

 呆れたもんだ。自分の身は結局、自分で守るしかない。



 × × ×



 今日は残業で、いつもより遅くなってしまった。

 余計に気分もすぐれない。

 早く帰ろう。


 ん…?

 まただ。

 誰かにつけられているこの感覚。

 気配からして、あの男。


 いつもと違う時間なのに?

 まさか、わたしが通るこの時間までここで待っていた!?


 あいにく会社の帰り道、家に帰るにはどうしてもこの一本道を通るしかない。


 男は、わたしの歩くスピードに合わせるかのようで、わたしが止まると足音も止まる。


 ゾっと、寒気がした。

 わたしは一歩を大きくし、早歩きで我が家を目指した。


 後ろから近づくその気配と足音も、つられるように加速していく。


 わたしは意を決し、振り返った。




「キャーー!!」



 どおりで、犯人は防犯カメラに映らないはずだ。

 そして、きっとこのストーカーは、この先も捕まらない……。

 そして、その表情すらも窺うことはできない。



 目の前には、足から下しかない人物が立っていた。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 短いお話ですが怖いので、夜道を歩いてる時にだけは思い出したくない話 です。 警察も頼れず残る頼りは…。 ストーカーはなぜこの女性に目をつけたのでしょう。 現時点では何もかもが謎のまま…
[良い点] こりゃ解決法がありませんね~。 どうしたものか。お祓い?
[良い点] 怖い!最後怖い! でも、何かが起きないと何もしてくれない警察もある意味怖いですよね。 純粋に人間であってもストーカーは怖いですし。 色んな怖さをありがとうございました。
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