、、愛してみたら。」
「大きくなったら、けっこんしよ!!」
愛も恋も知らない僕たちが恋愛をするようになるのはいつからだろう
「おおひら!!!ぼーっとすんな!!!」
「うーす。」
怒ってくる男性の光っている薬指からは幸せなんて感じられない。
「ただいまー。」「はぁい。」
僕の母親の薬指から光は感じられず、少しくぼんだ影が見える。当然、幸せなんて感じない。
「風呂先に入るよ。」「ご飯冷めちゃうよ、やまとー」
汚れていないと思っている体を洗い流しながら、僕は心の方が汚れているなって思う。
よくわからないのにこんなことばかり考えている。僕はつまんない人間なんだ。
「すぐ風呂入る?」「うん」「おっけ、タオル置いとく」
当たり前の会話の中に幸せなんてあるはずもなく冷めたご飯を口に運んでいく。
季節外れに温かい夜、心地よくなく生ぬるい変な感じ、幸せを感じない当たり前の毎日。
ひねくれた僕は幸せなんて知らない、
でも愛情なら知っている、僕の光り輝く薬指からは感じないけど。
僕が誰よりも優しい視線を送る、僕と同じ光を持つ彼女に、愛情をこめて
「愛してるよ。この世のだれよりも」
決まり文句みたいな当たり前の言葉で伝える。母さんがやってくれたように。
玄関先にある母さんの写真から愛情を感じる。
ひねくれた僕は幸せなんて知らないはずだった。
だけど産声が聞こえる部屋で大切な人が増えたあの日、
ひねくれた僕は幸せを知った。他人には分からないかもしれない、だけど、それでも、
「お前にも分かるさ、、愛してみたら。」
短い間お付き合いいただきありがとうございます。
この作品は愛の中の可能性について書いたものです。
簡単に幸せや愛を語る年でもないですが笑
人によっては二分ぐらいで読み終えてしまいますが、その短さもこの作品の魅力の一つと思います。




